「…『アレン』…『アレン』………ああー…まーたダメダー…封印が戻っちゃった…死人のくせに…まったく…しぶといのー…やっぱり腐ってもノアってことかー…」
 ロードはふてくされたように言う…
 「…もうちょっとだったのに…」
 …そう言って…『アレン』の『夢』から…ひとまず『手』を退く…


 
悪夢―15―


 「………うっ…あ…れ…こ…こ…は……」
 …ああ…そうか…宿屋だ…

 「…おきたのか…?…アレン?…」
 …アレン…め…さめたようさ…
 「…ラ…ビ…?…おはよう…ございます…もしかして…僕…寝坊しました…?…」
 …やっぱ…ジジイが言ったとおりさ…アレン覚えてないみたいさ…
 「…大丈夫だアレン…リナ嬢の体調が少々優れぬようなのでな、今日の出発は見合わせた」
 ブックマンのジジイが言う。嘘じゃないけど…それだとアレンが心配するさ…
 「!えっ!リナリーどこか悪いんですか!?」
 …ほら…
 …言った途端に跳ね起きて動こうとして…そしてまた倒れた…くずおれるように…
 「…えっ…?…あ…れ…?…」
 …目を瞬いて…アレンは不思議そうにしている…
 「…自覚はないようだが…アレン…おぬしの体調もあまり良いとは言えん…今日は大人しくここで休んでおれ…何かあった時はラビに言え…」
 …そうジジイはアレンに言うと…今度はオレを振り向き…
 「ラビ、アレンの傍についておれ、私はリナ嬢の様子を見に行く」
 「…わかったさ…パンダ…」
 …部屋を出るジジイに返事をした…

                                            ―続く―