あの人と初めて会ったのは…林の中…水辺でのこと…
あの人は…山賊に追われていたわたしを不意に現れて助けて下さった…
―碧の行く末― 〜7〜
閃く木剣それを振るうのは、幼さの残る優しげな顔には凛々しい表情(かお)と心を射抜く様な真っ直ぐで透明な澄んだ眼差しを持った少年だった。
山賊達を一通り叩き伏せると、彼の人はいつの間にか、わたしを背後に庇い、そうして更に向かってこようとした山賊達に鋭い眼差しを向けると、澄んだ力強い声で山霊の使いだと告げ雷鳴を呼んだ。
彼の人の力強き背を見つめつつ、わたしは思う…
…この人こそわたしの運命…この人こそわたしの総てを捧げるべき人…
…あなたは望と言うその名そのままの方…
…だからわたしは…
…いつかあなたが一人旅立つ時を迎えても…
…いつの日にか帰ってくるあなたを待っております…
…この子達と共に…
…ずっと…
…待っております…望…