―リハビリ用突発抜粋駄文(Dグレ)―
【方舟編・奏者ノ資格予想ネタその1】
(『お蔵入りネタ』)
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「…そうだよ『方舟』は『再起動』したんだ」
―唐突に聞こえたのは低い…どこか陰を含んだ少年の声…
「…と言うか『オレ』が『再起動』させたんだけどね」
―聞こえた『その声』に全員が『そちら』を振り向く…
「…う…そ…!…」
「…ロ…ロートたま…」
―ロードとレロの瞳が驚愕に彩られる。
…視線の先には…緩く波打つ黒い髪に浅黒い肌の少年の姿。
薄く開いた釣り目がちの眼差しは黄金色で…その身から放たれる気配も紛れもなくノアのモノ…
―…であるのにも関わらず…
「…誰だ…?…」
…ティキはそのノアを知らなかった。一度も面識の無いノア…けれどロードとレロの様子からすると2人(この場合は一人と一体か…)は知っているのだろうと思いつつ疑問を漏らす。
…いや…誰かに似て…って…
「…オレ…?…」
…なんでこいつオレに似てるんだ…?…
―『誰かに似ている』と感じたティキが、『自分に似ているのだと』その事に気付き、その事実に驚いて目を瞠った時…
「違うよお前がオレに似てるんだ。なあ?ロードにレロ。久し振り元気だったか『兄弟』」
―嘲るように『彼』は嗤う…
「…な…?…どういうことだ?お前の方がどう見てもオレより年下…」
「…ティッキー…『彼』の言うことは正しいよ…」
―『彼』の『言葉』に目を丸くするティキに…その言葉を遮ってロードが『彼』の『言葉』を肯定する。
「…でも…どうして…?…なんで…?…お前は…確かに…」
「…確かに千年公が殺した筈なのに?かな?」
―目を大きく見開いて動揺するロードに…『彼』は笑みを浮かべてそう言い…
「『千年公が殺した』って…それじゃあこいつはっ…!…」
『彼』の『言葉』にティキは顔色を変える。
「…伯爵が殺したって…どういうこと…?…」
―目の前で展開される意味不明なノア達の会話にリナリーが目を見開き…
「アレンくん!アレンくんはどこなのっ!あなたが方舟を再起動させたって言うことはあなたがアレンくんをどこかにやったんじゃ…!…」
―唐突に現れた新たなノアの姿にリナリーの思考は一時停止していた…
…が彼らの会話の中にあった…そのノアの『伯爵との敵対』を意味するような内容の発言へのその驚きに…再び動き始め…そしてリナリーはそのノアが現れた折りに言った言葉の意味に気付きそう問い詰めようと叫ぶ。
「……ああ…エクソシストか…」
―リナリーの上げた声に…『彼』はロード達からリナリーへと視線を移し…煩わしそうに表情を歪める…
「…そういや…いたな…」
そう言うや否や…『彼』はスタスタとリナリー達がいる方へと歩く…
「…正直…オレとしちゃお前らなんかどうでもいいんだが…一応『約束』だからな…」
―リナリー達が閉じこめられた『サイコロ』の方へと歩み寄りながら『彼』はそう言うと…
―パチン!…と指を鳴らして次の瞬間起こった事は…
「…!…かっ…神田っ!クロウリーっ!」
ポォン♪と言う音と共に何処からともなく『神田とクロウリー』が現れる…
―傷だらけで…ぽかんとした表情の神田と…やはり傷だらけで…意識さえなく倒れ伏すクロウリーが…
―彼らのその姿にリナリーは涙を滲ませ、バンバンと『サイコロ』を叩く…
「…やめとけよ、『それ』はロードの能力だぜ。そんなんじゃ壊れねェよ」
『サイコロ』の壁を叩く彼女を嘲笑うように少年の姿をしたそのノアは言い…
「だからって仲間が傷だらけなのよ!黙ってなんて見てられないわ!」
『彼』の『言葉』にリナリーがそう反駁し…
「…リナリー?…!…ノア!てめェ…!…」
リナリーの声に神田が気が付き、その『彼』に気付き殴り掛かる。
「…おっと!やめろよエクソシスト。オレは取り敢えずはお前らの敵じゃないぜ?」
殴りかかる神田のその拳を避けて『彼』は微笑って言う。
「信じられるかよ!テメェノアだろうが!」
「…ああまあそうだろうな…別に『オレ』は『お前ら』に信じて貰わなくても全然構わないし…でもオレの機嫌は損ねない方が良いぜ?なんせ『お前らエクソシスト』が此処から『全員無事』で出られるかどうかは『オレ』に掛かってるんだからな…」
怒鳴る神田に『彼』は微笑ってそう言った…
―続く―
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―あとがき―
神田&クロウリー合流です。
…次回…予定通りに行けばラビの復活と言うことになるでしょう…
―それではまたの機会に―RIN―
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※初出:2010年1月26日『螺旋の館・別館(ブログ館)』
(ブログ突発駄文再録)