―リハビリ用突発抜粋駄文(Dグレ)―
        【方舟編・奏者ノ資格予想ネタその1】
                     (『お蔵入りネタ』)
                 

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 『14番目』と名乗った…『アレン』の姿をしたその『ノア』が細く眇めたその目でラビを見る。

 ―『14番目』は『何を』考えているのか…それはラビには解らない。

 …『『ノア』だから『オレら』を殺したい』…そう言った…けれど……声には出さず口の動きのみでオレに伝えてきた『あの言葉』は…まるで逆の『意味』…

 …声に出さなかった……『ノア』に…ロードやティキに知られたくないってことか…?…

 ……確か…『(自分が)ノアを抑えるのが限界』とか…『(オレらが)アレンの仲間だから殺したくない』とか…

 …まさか…『オレら』を『殺したい』その衝動を『抑えてる』ってわけか…?…『オレら』が『アレン』の『仲間』だから…そしてそれがそろそろ限界だと…そう言ってるのか…?…

 ……だとしたら…『14番目』は味方とまでは言えなくても少なくとも敵じゃない。…(少なくともオレらに攻撃するとしたらそれは『こいつ』の本意じゃない…)

 …けれど…殺したくないから逃げろってことは…『14番目』が『オレら』を殺そうとするのも時間の問題か…

 …そして…目の前にはロードとティキ…この中でまともに戦えるのは…『アレン』が『いない』今…オレだけ…(…六幻が見当たらないからユウは当てに出来ない…クロちゃんは意識が無いしリナリーは結晶化以来まともに発動出来てない…そして適合者でもないチャオジーは問題外…)

 …この状況じゃ『方舟』の崩壊の心配はなくなったと言っても…『ノア』に殺される可能性は充分ある…
 ……それも下手をすれば…
 そう思ってチラリと『14番目』を見る。
 …『こいつ』に……

 …『そんなこと』になれば…アレンがどれほど苦しむか…
 それを思うと『14番目』の手で『仲間』が殺される…否…アレンの性格からいって…『アレン』の『その手』で『仲間』を傷付けた…ただそれだけで充分…!…

 …まさか…!…
 そこまで考えてラビは『ある1つ』の『可能性』に思い至る。

 …『こいつ』の言う『アレン』が『消える』と言うのはっ…!…

 …もしも『14番目』が…『これまで』にも…『ノア』に…ロードやティキに悟られないように『オレら』に『何か』を伝えようとしていたとしたら……?…

 ―『14番目』の『真意』や『アレン』のこと…解らないことだらけではある…

 …けれど…

 …考えろっ!ラビっ!…きっと『こいつ』のこれまでの『言動』にヒントがあるっ…!…

 ……『こいつ』が一貫して言ってた事…

 …確か…

 ○『助けてやる』と言って実際オレらを助け、『出口(らしきもの)』を用意した。
 ○『アレン』とそして『クロス元帥』と何らかの『約束』をしているらしい。
 ○『オレら』とは『味方じゃない仲間じゃない』そう言ってはいる…けれどクロス元帥のことは…『共犯者』と言い…また…『アレンの仲間』と言う『資格』が無いと『オレら』を断罪しつつ、『オレら』を『アレン』の『仲間』だから殺したくないと言い…

 …そして極めつけは…伯爵やノアに対する敵意と…

 …そうだ…最初っから言ってたじゃないか…詳細はクロス元帥が知っていると、クロス元帥に聞けと…

 …そしてさっきも…『アレンを助けたければ』そう口の動きだけで伝えてきて、その直後にクロス元帥を捜せと言った…
 ……だとしたら…取り敢えず『敵じゃない』…そう判断していい筈さ…少なくとも…いまは言う通りにした方が良い…
 つらつらと思考を巡らせた後ラビはそう判断し…そして踵を返す。

 「…ユウ、リナリー、チャオジー…ここは『こいつ』の言う通りにして、クロちゃん連れて『ここ』から出て行こう…」
 踵を返し、『14番目』が示した『ゲート』と言う『出口』へと向かって歩き出した。
 
 
                    ―続く―

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 ※初出:2010年3月5日『螺旋の館・別館(ブログ館)』
                     (ブログ突発駄文再録)