―リハビリ用突発抜粋駄文(Dグレ)―
【方舟編・奏者ノ資格予想ネタその1】
(『お蔵入りネタ』)
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「……そうか…そう言う意味か……」
ボソリと呟いた神田のその『呟き』が聞こえたのはリナリーだけだった…
…尤もリナリーは神田のその『呟き』が『意味』するものがなんなのかまるで解らなかった。
「オラッ!行くぞっ!」
踵を返し、再び『リナリー』の手を神田が引っ張る…
リナリーに解ったことは…ただ神田とラビが…『アレン』を置いて『ゲート』と言う『モノ』から『どこか』へ行こうとしている。…ただそれだけだった…
そしてリナリーには…『それ』こそが最も『重要』な『事実(こと)』だった。
「神田っ…!…神田っ…!…」
だからリナリーは神田の名を叫んだ…
彼に引っ張られ歩きつつも…
「…ラビっ…!…ねぇ!どうしてっ!アレンくんがっ…!…アレンくんをっ…!…」
そして神田に言っても無駄と悟ったと言うわけでもなかったのだろう、けれどリナリーは次いで更に前を行くラビへと視線を向け彼へと訴える。
「ねぇ…どうして…?…2人とも…アレンくんが…アレンくん…」
…しかしリナリーの訴えに対し2人は無言を貫く。
そんな2人にリナリーはくしゃりと顔を歪め…
「…アレンくん!…アレンくん!…アレンくんっ…!!…」
今度は神田に引っ張られながらも背後を振り返る。振り返って『14番目』に向かって手を伸ばし『彼』を…『アレン』の名を呼ぶ。
そんなリナリーの様子を『14番目』は不愉快そうに見遣り…
「……愚かな女だな…まだ解らないのか?『アレン』は『お前ら』の『仲間』なんかじゃない。『お前ら』に『アレン』の『仲間』を名乗る資格はない」
冷淡な眼差しで酷薄に嗤い『14番目』は断ずる。
そして…
「さっさと出てけっ!いい加減にしないとホントに死ぬぞっ!お前っ…!…」
冷ややかに断じた後にそう怒鳴る。
「…っ…そんな風に脅されたからってアレンくんをっ…」
『14番目』に怒鳴られて表情を歪めたリナリーがそう言い掛けた時…ぐいっと神田がリナリーの腕を引っ張る…
「…っ!神田っ!」
リナリーが文句を言おうとした時…
「……ボソリ……」
神田がボソリと…
(…リナ…任務を優先しろ。…あのくそモヤシだってそう言うぜ)
そう告げ…
「……わかって…わかってるけど…でもっ…相手はAKUMAじゃないのっ…!…ノアなのっ…!…それもあんなっ…」
神田の言葉にリナリーは泣きそうな表情(かお)でそう言う…
―そしてラビが『ゲート』に入ろうとしたその瞬間…
「…どうでもいいけど…逃がさないってさっきも言ったよな…」
…いつの間に移動したのか…ティキがラビの前に立ちはだかっていた。
―続く―
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※初出:2010年3月13日『螺旋の館・別館(ブログ館)』
(ブログ突発駄文再録)