―リハビリ用突発抜粋駄文(Dグレ)―
        【方舟編・奏者ノ資格予想ネタその1】
                     (『お蔵入りネタ』)
                 

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 『…『オレ』ト『オ前』ダケガ…コノ『方舟』ヲ…『再起動』デキル…』

 ―目の前の…『14番目』と名乗ったノアの『言葉』にアレンは目を見開く…

 『…『オ前』ガ…『自分』ノ『正体』ヲ受ケ入レテ…ソノ『役割』ヲ全ウスレバ…『オ前』ノ『仲間』…『全員』…助カル…』

 ―ノアが告げてくるのは驚くべき『言葉』ばかり…

 …しょう…た…い…!?…なんだっ…なんだよ…それっ…!?…

 ―訳の分からないことばかりで混乱しつつも…

 …けれどどうしても…アレンにとって無視できない内容(こと)があった。

 「……ほ…ん…とう…に…みん…な…助かる…のかっ…!?…」

 …勿論…相手は『敵』だ…鵜呑みにすべきじゃ無いのかも知れない…けれど…

 『…モチロ…ン…『オ前』ハ『奏者ノ資格』…コノ『舟』ヲ操ル『再起動』デキル『唯一』ノ『資格』ヲ持ッタ『ノア』…『オレ』ガ…コノ『方舟』デ…千年公ニ内緒デ『オ前』ヲ創ッタ…』

 …え…?…

 「…い…ま…なん…て…?…」

 …僕が…なん…だって…?…

 『…『アレン』…『オ前』ノ『肉体』…『オレ』ノ『予備(コピー)』…』

 「…な…に…を…言って…?…」

 『…『オ前』ノ『人格』…『オレ』ガ『プログラム』シタ『擬似人格』…』

 …プロ…グラム…?…擬似人格…?…
 …何を…言ってるんだ…?…このノアは…?…
 …はっ…!…そうだ…こいつはノアだ!敵の言う事なんて…
 …ショックを受ける必要なんてないっ…!…
 …信じる必要なんて…

 「…ぼ…僕は…自分で…マナに誓って…」

 『…『オ前』ハ『マナ』ヲ愛シテル…』

 「そっ!そうだっ!僕はマナをっ…!?…」

 …え…?…どうしてこいつはマナの事を…?…

 『…『マナ』は…『オレ』ノ『兄サン』…』

 ―!…

 「…う…うそ…だ…!?…」

 ―『14番目』の『言葉』にアレンは動揺し…

 『…『オ前』ノ『マナ』ヘノ『愛』…ソレハ…『オレ』ノ『感情』…』

 「…う…そ…だ…」

 ―その瞳は涙で潤む…

 『…『マナ』ノ『オ前』ヘノ『愛情』モ…『同ジ』…』

 「…うそ…だ…」

 『…嘘ジャナイ…疑ウノナラ…『ピアノ』を弾ケ…』
 そう『14番目』が言った時…

 ―ゆっくりと…アレンの『意志』を無視し…アレンの右腕が動き…ある一点を指差す…

 「…なっ…!?…これはっ…いったい…!?…」

 ―勝手に動いた『自分』の『腕』…動揺したアレンが指し示された方を見ると、其処には一台の『白いピアノ』…

 「…なっ!?…ピアノッ!?…そんなっ!?さっきまでは…」

 『…ソノ『ピアノ』ヲ…『アレン』ガ弾ク…ソウスレバ…『オ前』ニ掛ケタ『封印』ハ解ケ『オ前』ノ内(なか)ノ『ノア14番目』ノ『記憶(メモリー)』ガ『覚醒』シ…『オ前』ハ『オレ』ニナル…』

 「…なっ…!…いっ…嫌だっ…!!…」

 『…嫌ナラ…イイ…『オ前』ガ…ドウシテモ信ジタクナイト言ウノナラ…『オ前』ノ『ココ』デノ『記憶』…消シテモイイ…』

 …なにを…言って…?…記憶を消すって…?…
 …こいつは…一体…何を…考えて…!?…

 『…ソノ変ワリ…『オ前』ノ『仲間』…『全員』…『死ヌ』…『方舟』共々…消滅スル…』

 「…!…なっ…!?…」

 『…心配…イラナイ…『オ前』ハ『オレ』…ココハ…大丈夫…』

 「ふっ…ふざけるなっ!!」

 『…巫山戯テ…ナイ…『オレ』…エクソシスト…ドウデモイイ…『約束』シタ…クロス以外…ドウデモイイ…』

 …なっ…!?…クロスって…師匠…?…師匠の事か…?…

 「…なんで…お前が…師匠の事を…」

 …『約束』って…

 『…心配イラナイ…『仲間』ガ死ヌノ…嫌ナラ…『オ前』ノ『記憶』カラ消シテシマエバ…イイ…』

 「…ちょっ!…待てよっ!記憶を消す!?冗談じゃないっ!僕はみんなの事を忘れたくなんかない!みんなで生きてここを出るんだっ!ここを出て教団に…いや…それより…お前っ…なんで師匠の事をっ…答えろっ!答えろよっ!まさかお前師匠までっ…」

 『…ソウ…クロスガ『オ前』ヲ育テタノハ…『オレ』ノ『意志』…』

 …そんな…
 …マナ…師匠…

 ―『14番目』の『言葉』にアレンの瞳から涙が零れる…

 『…『人間』ノママ…『真実』カラ目ヲソラシテイタイノナラ…『ピアノ』ヲ弾クナ…代ワリニ『オ前』ノ『仲間』見殺シニスル事ニナルガ…気ニスルコトナイ…大丈夫『オ前』ノ『記憶』カラ…『存在』ゴト消シテヤル…』

 …『見殺し』…みんなを…

 『…ソウ…ソウスレバ…『オ前』ノ心ノ平穏ハ保タレル…』

 …そんな…そんなこと…

 …でも…僕は…

 『…ドウシタ?…迷ウ必要…ナイ…ドウセ…赤ノ他人…『記憶』ヲ消セバ…『オ前』ハ…マナノ愛…疑ウ必要ナイ…クロスノコトモ…信ジタママイラレル…』 

 …マナ…師匠…

 「…ギリッ…!…」

 ―歯を強く噛み締め…そしてアレンはゆっくりと『ピアノ』へと歩いていく…

 『…ククッ…『ピアノ』ヲ弾クノカ…?…イイノカ?…『オレ』ノ『言葉』…認メルコトニナルゾ…』

 「…お前の『言葉』を…全部信じる訳じゃない。お前は…僕らエクソシストの敵のノアだ。…でもいまはみんなが助かるために『ピアノ』を弾くしか道がなさそうだから…」

 …それに…

 『…ソウカ…『オ前』ハ『教団ノ仲間』ヲ選ブノカ…』
 
 ―『マナやクロス…そして自分の幸福より…』…

 「…え…?…」

 …『14番目』が言った『言葉』の後に…そんな『言葉』が聞こえた気がしてアレンは目を瞠る。

 『…『ピアノ』ヲ弾イテ『オ前』ガ知ル『真実』ハ…『オ前』ガ思ウヨリ重イ…ソレデモイイノカ…?…』

 …なに…を…?…

 ―ここに来て『14番目』の様子が変わる…まるでアレンに『ピアノ』を弾かせたくないかの様に…



                    ―続く―

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 ※初出:2010年1月19日『螺旋の館・別館(ブログ館)』
                     (ブログ突発駄文再録)