半身2―太公望―『邂逅1(闇の鏡1)』

 ―「太公望よはじめましてだな、オレは王天君ってんだ、お見知りおきねがうぜ大将」
 「十天君か…!!」
 「……この借りは必ず返すぞ王天君」
 「感情的になりなさんな、こっちだって二人やられてんだぜ?おあいこだ」
 「王天君を探し出さねば」
 「――それはおそらく王天君であろう――にしてもやつは一体何者なのであろうか?」
 「……女カ、妲己……そして王天君…」
 「原始天尊様、王天君とは何者なのでしょうか?――いや!原始天尊様の元弟子という事は楊ゼンから聞いております」
 「ただ何というか…うーむ…感じるのですよ、妲己のチームに属しておるようでおらんような気配が…あやつの個人的な何かのために動いておるような感じが…」
 「さぁのう、だが全然負ける気がせぬのだ、ただ…」
 「この戦いは勝ち負け以上に重大な何かをわしにもたらす気がする」
 「運命的な何かを…」―
  コッチ コッチ コッチ―何か音がする……
 胡喜媚の羽により封神され、気が付くと大時計のある部屋にわしはいた。
 「ここは……」
 わしはその部屋を見る…
 そのわしの前に空間宝貝によるものだろう、王天君が姿を現した。
 「……太公望…オメーの魂魄はその空間に閉じ込めた」
 異なる空間から王天君が呼びかける……
 「王天君……」
 「クククク……あんた自分が封神された事を全然驚いてねぇじゃねぇか、まるでオレが助けるのを予想していたようだぜ」
 「予想しておった…――というより感じておったよ…」
 これまでの様々な王天君に関わる事柄が脳裏を過ぎる……
 「おぬしとわしの間には何かがある…ずっと宿命的な何かを感じて気になっておったのだ」
 そんな不可解な感覚を王天君は肯定するような表情(かお)で、わしを見ている……
 ……暫しの沈黙……それを破ったのは王天君だった……
 「話をしようぜ、何の話がいい?」
 その言葉は王天君にとって、本題に入るための足がかりのようなものなのだろう。
 「そうだな、オレが陰の封神計画遂行者だったって話はどうだ?」
 「陰の…?」
 王天君の言葉にわしは眉を寄せる、何を言おうというのかと興味を引かれた。
 「表向きはお前が封神計画を進めてるよぉに見せかけ…裏ではオレが全てを進めていたって事だ」
 「黒幕はあのクソジジィよ」
                             ―つづく― 
 ―あとがき―
 暫くはWJの内容がそのまんまです、これはWJの鏡でのそれぞれの視点での話をちょっと入れておきたいと思ったからです、結果、話しが本筋に戻るまで長くなります(そうこの後には王天君編が控えてます)取り敢えずいま現在、書き上がっている話しの中ではこれが一番長いです、それでも読むと言って下さる奇特な方は気長に読んで、鏡の部分が終わるのをまって下さい。お願いします。