半身7―王天君―『邂逅6(光の鏡2)』
太公望…ようやく見つけたオレの半身…
オレの考えが正しければあいつは封神される…
総て原始天尊の思惑通りだったんだ…
封神計画のためだったんだ…
オレを金鰲に送り込んだのも…
遂行者である太公望の片腕が楊ゼンなのも…
太公望が一番弟子なわけ…あいつは王奕(オレ)の代わりではなく…オレ自身…
封神計画の表と陰の遂行者…それがあいつとオレに与えられた役割…
恐らくオレとあいつの精神は奥深い所で繋がっている…
仙界大戦の時…あいつは楊ゼンのバリア解除を疑わず、オレはあいつが崑崙ごと乗り込んでくるのを疑わなかった。
十天君の時もオレは奴らを分断させ、あいつは一対多数のゲリラ戦できた。
オレは奴らを全滅させるわけにはいかなかったにも関わらずダニを放ち、そしてあいつはオレのダニへの対策を用意した。
十二仙を使った策、その最悪の結果…
そして聞仲の弱点に気付いていながらあいつは黄飛虎を地上に残し…
黄天化を引き留めようとした…
これら総てあいつがその良心の為に避けようとして避けきれなかった策…
…まぁ幾つかはオレが実行したが…
…このことも原始の思惑の内だろう…だが…
…あいつに惹かれる…これは魂の呼応…魂の共鳴…
…恐らくあいつも感じているだろうこの感覚…
魂が言っている…あいつこそが半身だと…失われたモノを取り戻せと…
そのために必要なことは何か…
それは…太公望の封神…
…そして…あいつの魂魄が飛んだ…
オレはあいつの魂魄を回収した…
魂魄体のあいつを前にして確信する…
…思った通りだった…
「あんた自分が封神された事を全然驚いてねぇじゃねぇか、まるでオレが助けるのを予想していたようだぜ」
「予想しておった…――というよりかんじておったよ…おぬしとわしの間には何かがある…ずっと宿命的な何かを感じて気になっておったのだ」
…やっぱりな…こいつも感じてやがったんだ…
「話をしようぜ、何の話がいい?」
…さぁ一体何から話そうか…
―つづく―
―あとがき―王天君篇、第二回、先は長そうですね…ハハハ…
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