半身9―王天君―『邂逅8(光の鏡4)』
 大時計が正午を告げている…
 「オレは探した、もう一人のオレをな」
 「クソじじいに切り捨てられ……妲己に心を壊されてもなお……」
 「オレはオメーを探し続けていたのさ」
 「最初は誰がそうなのか分からなかったぜ、崑崙山の中の誰かだとはわかっちゃいたがな、もしかしたら素性の知れねぇナタクか雷震子がそうかと思ったが…あんな下品なやつらがオレの半身のわきゃねぇ」
 「殺されるぞおぬし…」
 オレの言葉に太公望はようやく口を開いた…
 「だが わしがそうだという証拠はあるまい!!」
 「あるぜ!」
 証拠がないと言うあいつの言葉をオレは即座に否定する!
 「魂がそう言っている!オメーの魂はどうよ?」
 証拠はオレとお前が感じていたモノ…
 ―おぬしとわしの間には何かがある…ずっと宿命的な何かを感じて気になっておったのだ―
 お前自身が言ったこと…
 「うそを…うそをつくな!!!」
 机を叩いてお前が言う…
 「では武成王も天化も十二仙もわしが殺したというのか!?わしはそんな事はせぬ!!」
 お前が声を荒げて否定する…
 「わしは…」
 …だが…
 「………わしは……」
 …否定しきれずにお前の言葉は力を失い…消えた…
 「――そうさオレ達が殺したのさ!!あんたは司令官という形をとりオレは敵という形をとってな!!!」
 これだけ言えばもうお前は否定できないだろう…
 …だが…本題はこれからだ…
 「…だがもうオレは疲れたよ…王天君でいる事に疲れた…」
 「王奕に戻ろうぜ」
 …オメーの答えは分かってる…
 「オレと融合してまだ生きるかそれとも封神台に行くか選択の時だな」
 …だがお前に選択の余地なんざねぇ…
 そんな事はハナっからわかってるんだろうに…お前は足掻き続けている…
 …これはお前自身の納得の為…
 「――分かっておる……答えは最初から出ておる」
 …そしてお前の結論…
 「というか答えなど一つしかないのだ」
 「融合しよう王天君!!」
 …ようやくこの時がきた…
 …オレとあいつが手を空間越しに合わせた瞬間、そこから光が溢れた…   
 ―あとがき―王天君篇ようやく終了、なんとか予定通り……
 次回は伏羲篇…ていうか本編だし…