―僕は…戸惑っていた…伯爵が『教団の人間』しか知らない筈の『時の破壊者』のことを知っていたから…

 …いや…戸惑っているのは…『それ』だけが『理由』じゃない…

 …アニスのことがあって…僕は…もう戦う気力もなくて…『だから』敵意が湧かないんだと…そう思ってた…
 …思ってたけど…伯爵の笑みで僕の心に温もりが戻った…

 …そしていまは伯爵を相手に普通に…会話をしてる…問われれば素直に答えて…

 …いったい…どうして…?…
 

 
―ハティの訪れ―
           ―5―
  


 「…予言…ですカ…v?…」
 伯爵のその問いに僕は頷き…
 「…え…ええ…入団した時に…でも…意味は…よく解らないみたいで…」
 戸惑いつつもそう答える…
 「どんな『予言』だったのですカ?v」
 答えた僕に伯爵は更にそう問い…
 「…えっと…確か…」
 僕はそう思い返すように呟いてその時の事を…『予言』の内容を話す…
 すると伯爵は…何故か嬉しそうに笑みを浮かべ…
 「…では『意味』までは知らないト…v…」
 そう…『確認』する様に言い…
 「…ええ…そうですけど…」
 僕はそれにただ頷き…
 「…そうですカvそうですカv」
 伯爵が嬉しそうに笑い…
 「…デハv『アレン・ウォーカー』vお前はその『意味』を知りたいと思いませんカ?v」
 「…え…?…」
 問われた言葉に…僕は…目を見開く…
 「『意味』ですヨv『時の破壊者』の『意味』v」
 伯爵が嬉しそうに…物凄く機嫌良さそうに言う…
 その伯爵の言葉に…
 …意味…?…意味って…やっぱり『時の破壊者』には『何か』僕らの知らない『特別な意味』が…?…
 僕はそう疑問を抱きつつ…
 …いや…それより…
 「…あなたは…知ってるんですか…?…その『意味』を…」
 …どうして伯爵が…『時の破壊者』の事を…こんなに嬉しそうに語るんだ…?…
 そう困惑しつつ…僕は問うた…

                                       ―続く―