…呪いだの…なんだの…言われた事の『意味』が…よく解らなかった…
「…僕が…ノア…だって…?…」
そして僕は…伯爵に…まるで鸚鵡かなにかの様にそう問い…
「…そうでスv…そして…感じているのではありませんカ?vアレンv」
伯爵が頷き…そう問うてくる…
「…なに…を…?…」
…感じるって…なんのことだ…?…
「…この『世界』が…おぞましいト…v…」
言われた『言葉』に…僕は目を見開いた…
―ハティの訪れ―
―8―
「…なん…で…」
…それ…を…
伯爵に言われて思いだした…
アニスを…彼女を失って…その瞬間から変わった『世界』…凍てついてしまった『僕の心』…それが…伯爵が来て…『彼』の笑みを見て…『僕の心』に温もりが戻った…
『世界』へのおぞましさが…少しだけマシになった…
…それは…
「…まさか…」
ポツリと呟いた僕の言葉に伯爵が頷き…
「…そうでスvお前はいま『ノア』として覚醒めつつあるのでスv」
そう言う…
「…でも…僕は…」
…伯爵にとって『エクソシスト』は『敵』だ…
…僕のいまの心理状態とか…そんなこと関係なく…伯爵にとって…僕は敵…エクソシストの筈で…
…さっきまでの話は全部…僕を騙す為の嘘だって可能性だって…
…だって…いくらなんでも…僕の腕が…イノセンスじゃないって…
そう考えつつ僕は『左腕』に視線を落とす…
「…『それ』は『イノセンス』ではありませンv」
「…でも…イノセンスじゃないと…『アクマの魂』は救えない…でも…僕は『左目(この目)』で視てる…『魂』が救済される瞬間をっ!…僕の『左手』で破壊したアクマ達が…その『魂』が…『縛め』から解き放たれるその『姿』をっ…!!…」
…そうだ…僕は『左目(この目)』で何度も視てる…その瞬間を…それなら僕の『腕』は…
そこまで考えた時…
「…『呪い』を掛けたのは『偽りの神』…v…『イノセンス』を造り出した『張本人』でスv」
僕の思考を遮る様に…
「…ですから『その呪い』に『イノセンス』と同様の『力』があったとしてもなんら不思議はないのでス…v…」
伯爵がそう言った…
―続く―