―『クロス元帥が現れた』…
 …そのラビの言葉に…神田・マリ・ミランダが…それぞれ反応する…

 その様子を見て…ラビは思う…
 …すげぇ…クロス元帥の名前の威力…でも…オレ…アレンのことも言ったさよ…?…
 …アレン…かわいそうさー…
 …本当に大変なのはアレンのことなのに…と…


 
―『ハート』の『鍵』―
              ―2―
 


 「…で?クロス元帥はモヤシがなんだって…?…」
 そう神田がラビを睨み据え…
 「…アレンと言うのは、彼のことだろう?白髪の…神田がいつもモヤシと呼んでいる…確かクロス元帥の弟子だったな…」
 マリが確認するかのように問う…
 そのマリの言葉に…

 …そっか…そう言えばマリは今日はじめてアレンに会ったんさよな…とラビは思う…
 「…アレンくんが…どうかしたの…?…」
 …そしてミランダは…良く聞こえてなかったってとこか…とラビは考え…ふむと納得し…

 「…ああ…ちょっと前にクロス元帥がオレらのとこに現れて…そんで元帥とちょっと話をしてたら、元帥が言ったんさ…アレンのイノセンスは『特別』なものだって…」
 ―!!!
 ラビの『言葉』に再び3人に動揺が奔る…
 「…特別…だと…?…」
 「…モヤシの…イノセンスがか…?…」
 「…特別って…アレンくんの…イノセンスが…?…」
 3人は瞠目し…口々に言う…
 「…ラビ…それは…まさか…」
 マリのその疑問に対し…
 「…いや…元帥は『それ』は否定した」
 ラビは首を左右に振り答え… 
 「…じゃあどう『特別』だっつーんだよ」
 そう言って睨む神田を見て…
 「…元帥は…アレンのイノセンスは『鍵』だって言った…」
 ラビは告げる…
 「…鍵って?…なんの…?…」
 そのラビの言葉にミランダが疑問を示し…
 「…『ハート』を見付け出して…『覚醒』させる…『鍵』だって…」
 …元帥は言ったさ…とラビは小さく付け加えて言った…

                                            ―続き―