…完全な油断…
…僕がもっと強ければ…こんなことにはならなかったのに…
…目の前には…『時計』に両手を杭で縫い止められたミランダさんと…何故か綺麗な格好をさせられて椅子に座らせられている…(…あの音波系アクマの攻撃で…)神経が麻痺して…意識の無いリナリー…
…そして…アクマと…チケットを買いに来た…あの時の少女…
―…『光』と『闇』の『狭間』で…―
―1―
…目の前の女の子は…あの時チケットを買いに来た…
…でも…なんでだ?…なんで…アクマといる?…
…なんで…
…アクマの魂が見えない?…
…アクマじゃ…ない…
…なら…『何者』なんだ?…
…僕は動揺をそのままに疑問を口に出していた…
…すると少女…ロードと名乗った彼女は…
…自分は『人間』だと言った…
…確かに人間の中にも千年伯爵に協力する者がいると言うのは知っている…
…自身の『欲望の闇』に負けた『人間』…多額の報酬と引き替えにアクマの材料を提供するブローカー…
…でも…この目の前の少女は…まだ小さな女の子だ…
…まさかアクマが人間を狙っている兵器だと知らないのか?…
…そう思って…そう言ってみる…
…すると彼女…ロードは…「兵器は人間が人間を殺すためにあるもの」そう言った…
…そう言って…
…千年伯爵と兄弟だと言った…
…自分達こそが…神に選ばれた本当の使徒だと…
…そう言った彼女の肌の色が黒く変わり…額には十字の痣のようなものが浮き上がった…
―続く―