「…それで?ロードは…」
…どこですか?そう聞こうと思った僕に…
「…ロードなら方舟でスvアレンが方舟のプラントに用事があると教えたら飛んでいってしまいましタv」
…先回りするように伯爵は言った…
家出少年の事情―5―
「アッレーンvv」
…『ノアの方舟』の『プラント』に来た途端に…ロードが飛び付いてきた。
「やあロード、元気だったかい?僕のお姫様」
ロードの頭を撫でながら僕は言う。
「うん!…でもアレンがいなくて寂しかった…急にいなくなっちゃうんだもん…いつもだったらちゃんと出掛ける前に教えてくれるのに…『方舟』に行っても会えなかったし…何処にいたの?」
ロードは僕の言葉に笑顔で頷くと、僕にギュッとしがみつくように抱き付き…次いでふくれっ面になってそう言う。
「…ゴメンネ…ロード…チョット師匠の所に行ってたんだ…」
…ロードにコレを言ったらますます機嫌が悪くなるんだろうな…と思いながらもそう言う…
「…師匠って…あのクロスっていう元帥でしょ?なんでアイツのところになんか…」
…案の定…思った通りだ…ロードは眉根を寄せ、不機嫌そうに唇を尖らせる…
「…ごめんロード…僕これから師匠に正式に弟子入りするつもりなんだ…」
…ロードにそう謝る…これは僕の中では決定事項だからこそだ…
「え…なんで…アレン…だって…」
ロードが呆然とした様子でそう問うてくる…僕の言葉から、僕の意思が強固であることを感じたのだろう…
…そう…これが僕の気紛れや悪戯心なんかでは無いと言うことを…
「僕は『伯爵』のしたことが許せない…当分あの人の顔を見たくない…マナが殺された以上僕は師匠の所に行く…行ってもっと強くなる…大事なモノをこれ以上無くしたくないから…」
…それは『千年公』に対するある種の『決別』の言葉…
…それを感じ取ったんだろう…ロード瞳が潤む…
「…アレン…僕は…」
…ロードが…目に涙を溜めて、僕を不安そうに見つめる…
「…大丈夫だよロード…君たちと敵対するつもりも僕にはないから…会いたい時はいつでも『方舟』においで?ロード、キミの部屋に電話をおいておくよ…それでいつでも僕と連絡が取れるようにするから…」
そう言ってにっこりと微笑む…
「…アレン…」
…哀しげなロードの表情(かお)…
…その表情(かお)に…胸が痛む…
…でも…
「…そんな表情(かお)しないで…僕の可愛いロード…キミも僕の…守りたい『大切』なモノなんだから…」
…止めるわけにはいかない…
…僕の大事なモノを護りたいから…
「…確かに『あのヒト』のことは怒ってますけど…でも『家族』ですからね…『絶縁』はしませんよ…ちょっと今回のことで僕も色々考えて見ることにしたんです…」
…だから…と続け…
「…偶には『家』にも帰りますから…」
…ヨシヨシとロードの頭を撫でて…
「…どうか笑ってください、僕の姫君」
僕はロードににこりと笑んでみせる…
「…しょ…しょがないなー…でもアレン…絶対だよ…絶対…」
…ロードが僕の両腕を掴んで…震えながらも…笑顔を浮かべる…泣き笑いの笑みを…一生懸命…
…その様子がとても愛しい…
「…ロード…『識ってる』でしょう…『僕』は『ノア』なんですよ?…その『僕』が『君達』を『大切』な『家族』を捨てるわけないでしょう?」
そう言ってにっこり笑う、安心させるように…
…ロードの不安の『理由』は知ってる…
…それは僕の『イノセンス』と…そして僕が師匠を尊敬し大切だと言っていることだ…
…だからロードは不安がる…僕がいつか『本当』に『エクソシスト』になってしまうんじゃないかと…
…だから僕はロードに言う…心配いらないよと…
…僕の言葉に漸く安心したのかロードが泣きやんだので、僕は安心し…そして…でもこのことを『伯爵』に知られないように口止めしておかないといけないことに気付き…
…だってロードから…僕がホンキで絶縁する気が無いと『伯爵』に伝わるのはやっぱり面白くない…
…脅しの効力が落ちるだろうし…
「…あっ!…でもロード…このことは『伯爵』には『内緒』にね?…僕がお願いしたのにマナを殺したんだもん!だから今回の事は『あのヒト』への仕返しなんだよ」
そう言って人差し指を口元にあて、ウインクをしてみせる。
「…フ〜ン…じゃあ僕が寂しい思いをする責任は千年公にあるんだね…」
安心したロードは、僕が何を言いたいのか理解したらしく不適な笑みを浮かべそう言った…
―続く―
―あとがき―
どうも皆様RINです。
『家出少年の事情』久し振りになります。
実は殆ど書き上がっていたのですが…細部の調整が残っていて…なんやかんやで結構経ってしまいました…
…今回はアレンくんとロードがいちゃついてます…この二人をいちゃつかせるのRINは結構好きで、よくやります。
…と言うか…ノアレンはその為に書いてるような…
…まあそれだけが目的ではないですが…
次回はお待たせいたしました!師匠ファンの皆様!
そうこの話のもう一つの目的…
それは師匠×ノアレンです!(もっともエロは期待しないで下さい…まあうちにこられる大半の方は既にお解りだと思いますけど…)
師匠!そしてアレンくん!本誌での再会おめでとう!
…10月まで…色々妄想して堪え忍びます…
…う〜ん…なんか…当分私的Dグレ強化月間(笑)は続きそうですv
―それではまたの機会に―RIN―