―「かっ」「開門んん〜?」―
『門番』の困惑も露わなその声と共に門が『ゴゴゴ』と重い音と共に上がっていく。
―そして…
―〔入城を許可します〕〔アレン・ウォーカーくん〕―
…辺りを飛ぶ一体のゴーレムから『アレン』の『入城』を許可すると伝えるアナウンスが発せられた。
―『偽りだらけ』の『正式入団』―
―10―
―〔入城を許可します〕〔アレン・ウォーカーくん〕―
…この『声』…コムイさんだ…
無線ゴーレムから発せられたコムイさんのその『言葉』に僕は漸く入れると安堵した(…『白刃取り』なんてしてなければ胸を撫で下ろしホッと息を吐いていたかも知れない…)
…しかしそれも僅かな…間の事だった。
…な…なにこの人…?…
僕は…そう疑問に思った。
―何故なら…
…か…刀が…力が全っ然弛んでないっ…!?…
―白刃取りで押さえてる刀が…相手が握り、斬り掛かってくるその力が…まるで弛んでなかったから…
…な…なんで…
そう僕が混乱していると…
―〔待って 待って 神田くん〕―
その『声』が再びゴーレムから聴こえる。
するとその『声』に僅かに彼の力が弛んだ。
―「コムイか… どういうことだ」―
そして眉根を寄せてすぐ傍を飛ぶ無線ゴーレムを横目で一瞬だけチラリと睨むとすぐに僕へと視線を戻し険しい表情でそう詰問した。
―続く―