―『クロス元帥の紹介状』は確かに見付かった。

 …『内容』は…なんと言うか…あの人(クロス)らしい…実に短く簡潔なモノだった。
 
 …けれどだからこそ…それが『本物』であると言えた。

 …つまり…この『少年』…『アレン・ウォーカー』くんは…実に『彼』以来二人目の『クロスの弟子』と言うことらしい…

 そう思いつつリーバー班長に神田くんを止める様に伝えると、コーヒーをお代わりしつつリナリーに「準備を手伝って」と告げて…

 ―「あの人(クロス)が出してきた子か…」「鑑定しがいがありそうだ♪」―
 そう言ってコーヒーを飲んだ。 


 
―『偽りだらけ』の『正式入団』―
                  ―9―
  


 ―「あの人(クロス)が出してきた子か…」「鑑定しがいがありそうだ♪」―
 そう言ってコーヒーを飲みそしてもう一度『ホログラム』が映し出すその『少年』を見る。

 ―白い髪に銀灰色の瞳…左目に傷(恐らく『それ』が『門番』の云うところの『呪い』なのだろう…)…そして赤黒い『左手』の11・2才程の少年…

 …赤黒い『左手』…それを見て先程『白銀』の巨大なかぎ爪へと変化したその様を思い出し…『面白い『偶然』だな』と考える。

 …『彼』も…『左手』だった…それに目の色もそう言えば…
 そう考えて思い出すのは一人の幼い少年の姿…

 ―茶色の髪に銀灰色の瞳の…黒い硬質な『左腕』の寄生型イノセンスを持つ『少年』…

 …彼=アレン・ウォーカーが現れるまでクロス・マリアン唯一の弟子とされていた『少年』…最年少の元帥『クラウン元帥』と呼ばれる6年前に会ったきりずっと会っていない『少年』の事を…
                      
                                       ―続く―