―「私は室長助手のリナリー 室長の所まで案内するわね」―
本部内(なか)に入ると黒髪の少女がそう言った。
…あっ…団服…それに…『リナリー』って名前…確か…
僕は彼女が来ている団服とその名乗った名前で『彼女の事』を思い出す。
…笑ってる…そっか…元気になったんだ…
僕は内心でホッとして…だけどその胸中は隠しただにこりと笑い…
―「よろしく」―
そう告げて握手をし…
―そして…
無言で立ち去ろうとしていた青年こと『カンダ』を呼び止めて…(凄い目で睨まれた挙げ句…)
―「よろしく」―
そう握手をしようとその手を伸ばし…
―「呪われてる奴と 握手なんかするかよ」―
そう言って拒絶された。
―『偽りだらけ』の『正式入団』―
―12―
―「はい どーもぉ」―
―「科学班室長のコムイ・リーです」!―
―「歓迎するよアレンくん いやーさっきは大変だったね〜」―
そう言ったコムイさんの言葉に…僕は…相変わらずだな〜と思う…
―そうして…通されたのは…
…ゲッ!…
…悪夢の手術室…
…幸いにも…
…僕の場合…イノセンスが…強力な自己再生能力を持っている御陰で『ここ』の『世話』になったのは一番最初の『検査』と銘打たれて色々された時だけだし…他の寄生型エクソシストに比べれば…それも遙かにマシだった…
…でも…
…『あの時のこと』と…偶々…見てしまった…他の寄生型エクソシストのイノセンスの修理の光景…
…それだけで…僕にとって…十分ここはトラウマの場所になっていた…
…あ…う…しまった…『修理』だけは…『あの修理』だけは…されたくないよ〜!…
僕は心の中で悲鳴を上げた…
―続く―