…連行…もとい…案内された…『悪夢の手術室』…
心の中ではしっかり『泣き』が入っていた…いたけれど…
…頑張れ!耐えるんだ僕っ!何とか対処案を考えろ!『現実逃避』したいのは山々だけどっ!でもっ!ちゃんと『現実』を見るんだっ…!…
…『逃避』したって『現実』は変わらないっ…!…『此処』はあの名高い『寄生型』の『悪夢』っ!…
…あう…なんか…余計落ち込んできた…うっ…負けるもんか…そうだっ!師匠の借金に比べればまだ全然マシ…って…嗚呼…なんか…言ってて…本気で虚しくなってきた…
…フ…フフ…負けるもんか…僕は…(これでも一応)元帥なんだっ…!…
そうして僕は(ともすればどこまでも落ち込みそうな…)自分の心を頑張って浮上させる…(…半ばやけっぱちだけど…)
―そして僕はなんとか冷静になるよう努め…取り敢えず目を瞑り軽く深呼吸して考える…
…このままだと…確実にあの『修理』を受けることになる…
…それだけは…避けないとっ…なんとしてもっ…
…どのみち…大元帥の所に行くまでに…コムイさんには話すつもりだったんだから…
…まあいいや…
―それで出た『結論』は…
…そう…予定をちょっと変更するだけ…大した違いはないですよね…
そう考えて…僕はなんとかコムイさんに人払いをお願いしようと考えた…
―コムイさんに『いまこれからバラす』と言う事だった。
―『偽りだらけ』の『正式入団』―
―14―
―「神経が侵されてるね やっぱり リナリー麻酔持ってきて」―
コムイさんのその言葉にリナリー(…たぶん噂のコムイさんの妹さんだろう…『彼女』のことは…一応少しだけ知ってる…昔…一度だけ話をしたことがある…)が、準備のために少し離れた場所へ行く…
…笑えるようになったんだ…
コムイさんに頼まれて、笑顔で返しそして準備をする彼女のその様子に僕はそう思い…そして同時に『いましかない』と思う…
「…あの…コムイさんっ…」
リナリーに聞こえないように声を落とし、小声で僕はコムイさんに声を掛ける…
「うん?どうかしたのかい?」
コムイさんがコーヒーを飲みながら、不思議そうに僕を見る。
「…僕のイノセンスのことで…大切な話があるんです…その…出来ればコムイさんだけに…人払いをお願い出来ないでしょうか」
「…イノセンスのことで…かい?」
僕の言葉に…コムイさんが暫しジッと僕を見つめ…
僕は『はい』と頷き…
「師匠から『話すのは限られた人間だけにしろ』と言われていますので…」
…だから…リナリー(彼女)に聞かれるのはちょっと拙いんです…と続けた…
―続く―