―「この子 クロス元帥のゴーレム 連れてるのよ」―
『室長』の妹である少女は『映像』に映る『金色のゴーレム』を指差してそう言う…
「……そんな訳で何人かがクラウン元帥じゃないかって言ってたんですよ…」
彼女の『言葉』の後をリーバーがそう言って引き継いで…
「…でそれは無いだろうってオレが言ってたんスよ…」
そう付け足して言った…その彼の『言葉』に…
「…ああ…成る程ね…それでクラウンくんのコト話してたのか…」
コムイはそう言って頷き…
「……うん違うね!クラウンくんとこの子じゃあ、髪の色もだけど歳も違うし…別人だね」
改めて『ホログラム』を暫しジッと見つめて後…そう言い…
そのコムイの言葉に対し…
「…イヤ…室長それ以前に…『腕』が…あの少年にはちゃんと『両腕』揃ってますよ…」
リーバーが呆れた様子でそう言った。
―『偽りだらけ』の『正式入団』―
―5―
「…イヤ…室長それ以前に…『腕』が…あの少年にはちゃんと『両腕』揃ってますよ…」
呆れた口調でリーバーくんが言う。
その『言葉』に…
『あれ?』と疑問に思ったのは一瞬…すぐに…ああ…そう言えばリーバーくんは『知らなかった』んだっけ…とそう思っていると…
―「すいませーん」―
不意に聞こえた声に…もう一度『ホログラム』を見る…
…あれ?…でもどっかでこの声聞いたことあるような…
フッと過ぎった疑問…
―「クロス・マリアン神父の紹介で来たアレン・ウォーカーです。教団の幹部の方に謁見したいんですが」―
けれど疑問の『答え』を見付け出す前に…ゴーレムに向かってその少年は言う…
―「元帥の知り合いだ! あの人生きてたのか」―
少年の言葉に…周りがざわつく…
―「「紹介」って言ってますけど室長 何か聞いてます?」―
…んー…「何か…」ねぇ…そう言われても…クロスは四年近く音信不通だし…それに…クロスよりはよっぽど連絡をくれるクラウンくん…彼もなんにも言ってなかったし…
リーバー班長の問いにボクはそう考えて…
―「知らない」―と答え…
…あっ!でも…と『あること』に気付く…
それはクラウン元帥が3ヶ月前に連絡をしてきた時のこと…
その時の事を思い出し…そして…
…確か…あの時…と考え…
…いまはクロスと別行動してるとか…そろそろ一度戻ってくるとか言ってたっけ…
…と言うことは…もしかしてクラウンくんも知らないのか…或いは戻ってきてから話すつもりだったのか…どっちかってとこかな…?…
…クラウンくんはクロスと違って基本的にはいい子だし…
…にしても…あれから3ヶ月経つのにまだ戻ってこないってことは…
…もしかして…クラウンくん…またどこかで迷子になってるのかな…
そんな風なことを考えながら…ボクはコーヒーを飲みながら…『門番』の身体検査を受ける少年を見つめた…
―続く―