…目の前には…やたら大きくて…そして…『人面柱』とでも言おうか?そんな…小さな子が見たら泣き出しそうな『モノ』が真ん中に立っている門がある。
……なんと言うか…ホント…相変わらずだなぁ…
そう思いつつ…僕は『初めて来た子供』らしい言動を取りつつ…『本部』の周りを飛ぶ、黒いゴーレムに…
―「すいませーん」―
―「クロス・マリアン神父の紹介で来たアレン・ウォーカーです。教団の幹部の方に謁見したいんですが」―
そう声を掛けると聴こえてきたのは…
―「「紹介」って言ってますけど室長 何か 聞いてます?」―
リーバーさんの声と…
―「知らない」―
…そしてコムイさんの声が聞こえ…そして…聞こえたコムイさんの『声』に…僕は「あれ?」と思う…
…確か師匠が紹介状を出すって……だから僕も…紛らわしいことになってもなんだし…詳しい話は帰ってからでいいかって思ったんだけど…
そこまで考えて…不意に思い出す…
…そう言えば…コムイさんの机の上って………
…そ…そうだ…あんまり教団に帰らないからすっかり忘れてたけど……コムイさんって……
…って…あれ?じゃあ『門番』の身体検査を受けることに…って…もしかして…拙いかも…
コムイさんがあんまり机の上を整理したりしないと言うことを僕は思いだし…と言うことは入城するためにはそれなりの手続きが行われるということに僕は気付いて…『あること』に思い至り僕は拙いかも知れないと思い…
僕はこれから起こるであろう『騒動』に…内心で嘆息を吐き…
…こ…この前連絡した時に…やっぱり少し話しておけば良かった……
そう僅かに後悔した…
―『偽りだらけ』の『正式入団』―
―6―
―「こいつアウトォォオオ!!!」―
『門番』の上げた大音量の叫び声に…僕は…ああ…やっぱりかと思う…
確かに…泣き叫ぶ『門番』のその言葉の通りに…僕の額には『呪われたペンタクル』がある…
―…それは…僕が犯してしまった…『罪』の『証』…
……それに…『僕』の『素性』を…『本当』の『正体』を考えれば…『伯爵の仲間』と言う『言葉』を完全には否定できない…喩え『僕自身』がどう思っていても…
そう思って僕は僅かに目を伏せた。
―続く―