―「千年伯爵の仲間(カモ)だー!!!」―
『門番』の上げたその『叫び』に…僕は…『ハッキリとした否定の言葉』を口に出来なかった…
―『違う』と言いたくても…『それ』を言うことは『僕』には許されない…
……だって『それ』は…『家族(ノア)』を『否定』することであり…同時に『仲間(エクソシスト)』を偽ることに繋がるから…
……僕は…『ノア』でもあるのだから…
そう表面には出さず…胸中で思っていると…
―『門』の上に『黒い団服(コート)』を纏った『誰か』が降り立つ…
…その姿に…『エクソシスト』だと直ぐに僕は気付いた。
―『偽りだらけ』の『正式入団』―
―7―
『門番』の『叫び』を聞きつけて現れたエクソシストは、いきなり僕に斬りつけてきた…
…いや…まあ…向こうは僕をアクマだと思ってるみたいだし…ある意味正しい反応かも知れないけど…
…でも…
…僕がイノセンスを発動させた後でまで…「中身を見ればわかること」って…どういうことですか?…
…『人間』は刀なんかで斬ったら死んじゃうんですよ?…(…イヤ…『僕』は死にませんけど…でも『この事』を知ってるのは今はもう師匠だけだし…)
…それともその『刀』…実は僕の『剣』みたいな『能力』があるんですか…?…
…そんな話…僕聞いたことないんですけど…
…って言うか…アクマがイノセンスなんか発動できるわけないってどうして気付いてくれないんですか?…(…例外的な可能性については教団の人間は知らない筈だし…)
…いやそれより…どうしてティムが一緒なのに…師匠の名前も出したのに…僕…襲われてるんでしょうか……
…ああ…帰ってきて早々この騒ぎ…なんだか…先行きが凄く不安だなー…
そう思い僕は冷や汗を思いっ切り掻いていた。
―続く―