「王奕!金鰲に行くというのは本当か!」
「騒々しいぞ燃燈」
王奕と呼ばれた少年…燃燈と呼ばれた青年…その二人の先程の会話の様子を見ていた太公望は呆然とした様子で薄暗い空間に一人立ち尽くしていた…
―垣間見えし真実―《中編》
『王奕』と『燃燈』
「わしは…この二人の名を知っておる…何故だ…」
知っているのは当然だ…聞いた事があるのだから…
否…知っているのは名前ではない…知っているのは…
「…わしは…あの二人を…否…燃燈を知っている?」
何故だ?何故そう感じる?燃燈道人は行方不明の筈だ…
…わしは会ったことなど無い!
…その筈だ…だが…なのに…知っている…
知っていると言えばむしろ王奕の方の筈だ…
楊ゼンから聞いた真実(コト)が…王天君の話が本当であれば…
だが…何故…わしは懐かしさなど感じるのだ…
…王天君はわし等の敵だ…燃燈道人には会った事もない…
…なのに…
…なのに…何故…
「…何故…わしは…知っていると…懐かしいと感じるのだ…」
…あの二人を…
…あの会話を…
…会話?
…そうだ…そう言えばあの二人あの時何と言っておった?
…金鰲…計画…あれではまるで…
「…まるで…」
太公望がそうポツリと呟いた時…
「そうだあれは封神計画の話だ」
不意に背後から、太公望の思考に応えるかの様に聞こえたその声に振り向けば、其処には先程から太公望を奇妙に悩ませている二人の内の一人…
王奕が立って…否…宙に浮いていた…
―続く―
―あとがき―
あう…また続いてしまいました…済みません<(_
_)>
今回は殆ど太公望の独想でした…
前回殆ど出番が無かった反動でしょうか?
リク内容は『太公望と王奕』何ですけど…
でもぎりぎり最後に王奕の登場が間に合いました…(^^;)
えーと…後編こそはきっちり『太公望と王奕』になると思います。
…でも最後にちょっとだけ老子が出てくるかも?
…だってこれは老子の夢だし…(開き直ってますね…人様への贈り物だと言うのに…何をまあ…仕方の無い奴です…)
……済みません…<(_ _)>
…でも『太公望と王奕』がメインである事は間違い無いと思いますので…
―それでは後編も近日中には仕上げてお送りしようと思いますので、いま暫くお持ち下さいm(_
_)m