―…気が付いたら…ミランダさんの部屋だった…

 …あの奇妙な『場所』は…いったいなんだったのか…

 …疑問に思っていた時…

 …リナリーの悲鳴のような声が聞こえた。


 
―『孤独の恐怖』と『希望の光』―
                ―1―



 ―聞こえた声は…
 ―「アレンくん!」―
 …リナリーの…
 ―「ミランダの様子がおかしい」―
 …叫び…

 ―…その声に…声のした方に向かうと…
 …其処には…リナリーと…そして…
 …蹲り…目に涙を溜め…大量の脂汗を流し…ガタガタ震えながら…ヒーヒーと喘鳴するミランダさん…
 …ミランダさんのその様子に…僕はすぐに解った…
 …だから言った…
 ―「発動を停めて!」―と…
 …ミランダさんはもう限界だと解ったから…
 …でも…ミランダさんは首を横に振る…

 ―「ダメ」―だと…
 …それは…僕達のため…

 ―「吸い出した時間ももとに戻るみたいなの」―
 ―「また…あのキズを負ってしまうわ……………」―
 …僕らを思って…
 …そして…

 ―「いやよぉ…」―
 …恐らく…初めて『誰か』の役に立てたと…そう思った…
 ―「初めてありがとうって言ってもらえたのに……………」―
 …絞り出すような…ミランダさんの言葉…
 …ミランダさんの過去に『何が』あったのか…僕は知らない…
 …でも…
 ―…「初めてありがとうって言ってもらえた」…―
 …その言葉の指し示す意味…
 …その言葉に込められた…ミランダさんの…想いは…なんとなく…わかった…

                                            ―続く―