…ヒナタが口を開く…
 …常からは感じられない…並々ならぬ決意と意志を持って…真剣な面持ちで…
 …そんな…ヒナタからは…溢れんばかりの…これまで感じたことがない程の物凄く真っ直ぐで純粋で…そして…とても綺麗な『想い』が感じ取れて…
 …余程大切な『想い』なんだろうなと思い…
 …そして同時にこんな形で暴き立てていいものじゃない筈だと思い、なんとかヒナタを止めることはできないかと考える…


 木ノ葉の名家―5― 


 …ヒナタ…ダメだ…言わなくて良い…大切な『想い』なんだろ?…『ソレ』はこんな『トコロ』で言うべき事じゃない筈だろ?
 …ヒアシもう充分だろ?なんでヒナタを止めない!もう解っただろう?ヒナタには誰だか知らないけど好きなヤツがいるんだ!名家だからっていまから見合いを強制しなくったっていいだろ?
 〔…オイ!誰か止めろよ!もう充分だろ?ヒナタの気持ちはよく解った!ヒナタは候補から外そう!止めろよアオキ!もう良いって言え!おまえ俺の『影』だろ!オイ!アオキ!アオキ!クッ!このジジイ!くそ!コクイ!アカキ!おまえらでもいい!止めろ!もう充分だろ!ああ!てめえらまでシカトすんのか!クッ!こうなったら…〕
 …変化して俺が直接…
 〔…って…なに俺の腕掴んでんだよっ!ビャクエ!このままじゃヒナタが…ヒナタがどんな『想い』を抱えてるのかもう十分俺達には伝わってるだろ!これはこんなトコロで暴いていいものじゃ…〕
 〔落ち着かれよ若君〕
 〔落ち着いてなんかいられるか!この人非人!〕
 〔これは鈍感で情緒未発達な貴男の為なんです!〕
 〔なにわけのわかんないことを…〕
 「私の好きな男性(ヒト)は…」
 〔ああ!ヒナタ!ビャクエテメエのせいだぞ!〕
 〔…フウ…アア…もう仕方ないですね…〕
 パッとビャクエが不意に掴んでいたナリトの腕を放す…
 …どういうつもりかと考えながらも変化の術で姿を変える…  
 「…同じ下忍の…」
 ヒナタの前に出て止めようとして…
 「『うずまきナルト』くんです」
 …その『名』が耳に入る…
 …最初『名前』については全くと言っていい程理解できていなかった…
 …ただ…遅かったかと思った…
 …ただ…ヒナタに申し訳なかった…
 …こんな形で大切な『想い』を暴いてしまって…
 …覚悟を決めて出てきたのに…結局間に合わなくて…あまりに居たたまれなくて…また『奥』に引っ込もうと…引っ込んで誤魔化そうと思ったその時だった…
 グッ!
 誰かに横から腕を酷く強く捕まれた…
 …見るとそれは…ヒアシで…なんだかやたら奇妙な迫力と言うか威圧感の様なものを感じて…ちょっとだけ…俺は…その迫力に圧されてしまった…

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 こんにちはRINですm(_ _)m
 木ノ葉の名家第5話が書き上がりました、この話は最近随分調子よく書けています。
 …そして…他の止まっている話しも書けたらいいなあ…などと思っております…
 …イエ…なんか一度止まるとなかなか続きを書き始めることが出来なくて…困ったモノです…ウゥ…
 
 …それで本文中でナルトがヒナタの『想い』が解るとか伝わるとか言っているのは、これまでも所々で書いてきていましたが、そう言う類の能力をナルトの一族が持っている為です。

 ―人物紹介―
 アオキ:うずまきアオキ、御簾の向こうにいる人物、49才もうすぐ50才、四代目の叔父にあたる…ナルトの影(代役・影武者の事)その1 
 アカキ:うずまきアカキ、案内役の女性、45才、アオキのはとこ
   
                                   ―それではまたの機会に―RIN―