「……何処に行ったんでしょうカ…」
伯爵は歩きながら呟いた。
「…部屋にはいないしティキぽんもルル=ベルも知らないみたいですシ…」
伯爵はとぼとぼとおぼつかない足取りで歩いていく。
「やはり外出中なんでしょうカ?」
「何やってんのぉ?千年公ぉ」
前から声がかかる。下を向いていた伯爵に声をかけたのはロード。
「ロードっ!あ…「あ、アレン!」………ハイ?」
伯爵が聞こうとしたのを遮りロードは走って飛び付く。
後ろにいたアレンに。
「……いつの間ニ……?我輩、ずっと探していたんですヨ?」
「ええ。知ってました。ずっと前から追いかけてました。あ、細心の注意を払ってでしたね」
アレンはけろりと笑って見せた。
「わぁ、アレン……黒ぉい」
けらけらとロードが笑いながら言う。
「……」
「暇なんでしょう?話、付き合いますよ?」
「本当ですカ!?」
俯いていた伯爵はばっと顔を上げる。目がキラキラと光りそうな勢いだ。
「ほ、本当ですよ…」
流石に驚いたアレンは一瞬詰まる。
「ふふ……」
ロードは背伸びをしてアレンの耳元で……
「頑張れぇ」
と一言呟いた。
アレンは苦笑して伯爵と一緒に歩き出した。