「そもそも、どうして僕なんですか?」
部屋について第一声はそれだった。
「ロードとは何時も何時も喋ってますシ、ティキぽんには流されてしまいそうですシ、ルル=ベルは相づちは打ってくれますがあまり話しはしませんシ、ジャスデビは仕事ですシ……」
と伯爵は答えた。
「少し、聞きたいことがあるのデス」
「?なんですか?」
「楽しいですカ?」
「はい?」
思わず問い返す。
「だから……」
「いえ、別にもう一度言わなくても良いんですけど……その……そんな質問がされるとは思ってなかったので」
「何故ですカ?」
「楽しくなさそうに見えますか?」
「アレンの場合は確実とは言えませんからネ。何て言ったって道化ですカラ」
「楽しいですよ」
「心の底からデスカ?」
「ええ」
アレンは頷く。
「なら、いいんですヨ」
「らしくないですね」
「そうでもないですヨ。家族にたいしてはこんなものですからネ」
「へぇ……覚えておきます」
くすりとアレンは笑った。