時は戻り、午前1時。
「……気分が悪いんですけど、これって」
「薬のせいでしょうネ。結構強力なものを使いましたカラ」
「何のようですか?殺すわけでも……無いですよね」
「何故そう思うんデス?」
「そうなら拉致する必要性が無いですし、もしその必要性があったとしても殺すつもりならもう殺されてるでしょうね」
「そのつもりはないですから、大丈夫デス」
「既に大丈夫じゃあ無いんですけどね……」
苦笑しながら言ったが、アレンの顔は蒼白になっていた。
「アレン・ウォーカー……」
「……」
「此方に来ナサイ。お前は確かにノアなのですヨ?紛うことなく……我輩たちの家族」
「……やめてっ……」
「お前は……」
「やめて!」
「お前は」
「聞きたくない!」
「ノアなんですカラ」
「違う!」
「イイエ。お前は」
絶望をもたらす声は、言葉を紡ぐ。
「ノアですヨ」
そこで、僕の意識は途絶えた。