目を開けると、見慣れない風景が広がっていた。

(これは……?夢?)

『14番目っ!おはよぉ〜』
見覚えのある少女が黒い影に向かって駆けていく。

(あれは……ロード?あの黒い影が、14番目?)

『おはよ。うげっ……』
ロードは14番目に抱きつく…というか…タックルをする。

(……変わらないな、ロード)

『やっと起きましたネ、14番目。遅いですヨ』
伯爵はゆっくりと歩いてくる。
『眠い……』
『今日は仕事は無しですけど早寝早起きはきちんとして欲しいデス』
『仕事は無しか。他のやつらは?』
『仕事デス』
『じゃあまたのんびり出来る?』
『エエ』
『じゃあさ、また話を聞きたいなっ。千年公、良いでしょ?』
14番目は、無邪気に問う。

(…身長を考えると大人だけど……まるで子供みたいだ)

『勿論』
『……何で忘れちゃったんだろうねぇ…?』
ロードは呟いた。

(忘れた?)

『わかんないなぁ……でもあんまり困らないからいいかな。困るのは本当の自分の姿と年齢がわからないことだな』

(姿も年齢も……わからない!?)

『サァ、我輩の部屋に行きましょうカ』
『やったっ!』

(……どうして?)