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 ―暁よりも眩きしもの 紅蓮の炎より赤きもの
  赤き闇を七つに砕き 世界の各地に封じ込めん
  赤き光 力尽きしその前に 己が身分かちて四つの光を世界に残さん
  四つの光 それぞれ地・空・火・水の属性持ちて東西南北に在りて世界を護らん
  遂ぞ力尽きせし赤き光『混沌の海』へと沈み逝かん
  されど赤き光 最後の一欠この地に残せし―
                ―ゼフィーリア王国ゼフィール地方に伝わる民間伝承より― 

 
虚無の欠片 ―4―


 彼女の言葉にあたしは目を見張る!そしてその言葉からある可能性を導き出し(多分違うと思うのだが…)彼女に問おうと口を開いたその時…
 『ええー!!『どうし』って何ですか!?リナ(さん)に弟子入りしたいとかそう言う事ですか!?』
 しかし横からの音声多重の凄まじい声二つに邪魔され、あたしはその場にずっこけた…
 …って音声多重の二つの声!?ってそれより今の声まさか!!
 あたしはそちらの方向に顔を向ける(あっ!アメリアもそっち見てる…)
 転けたあたしににこにこしながら、いつもの何を考えてるのか判らない笑みを浮かべてそいつは其処に立っていた…(まったく何時からいたんだか!)
 「お久し振りです、リナさん、アメリアさん。…いやーあまりの事に思わず出てきてしまいましたよ…いや僕もまだまだ修行が足りませんねェ〜」
 などとしみじみ言っているのは、黒い髪に黒が基調の神官服、一見何処にでもいそうな後ろ姿と人畜無害そうな笑顔を浮かべる、ですます口調の謎の神官(ブリースト)…勿論見た目通りの奴ではない…実際は出てくる度に何かある!何を企んでるのか判らない!厄介事の先触れ案内人!百害有って一利無し!
 その正体は魔族中(但しこの世界のみ)現在五指に入る実力者!赤眼の魔王(ルビーアイ)五人の腹心が一人、獣王(グレーター・ビースト)ゼラス=メタリオム直下の魔族・獣神官(ブリースト)ゼロス! 
 その顔を見ると同時にあたしは速攻立ち上がり猛スピードで駆けて行き…
 「ゼェロォスゥゥー!!!!!」
 その首もとひっつかみ…
 「よくものこのこ現れたわねぇ〜!!!」
 何時の間にやら速攻でふところから取り出していた『アストラル・ヴァイン』を掛けていたスリッパをゼロス目掛けて怒りを込めて振り下ろし…
 「あんたねぇ〜!どの面下げてあたしの前に現れたのよ!!今度は何を企んでるの!こぉの!ゴキブリ神官!!」
 あたしは首を絞めながらガクガクガクガクゼロスを揺する!!
 「リ…リナさぁぁぁぁぁん…そぉいう呼び方はしないで下さいって…この前…言ったじゃないですかぁぁぁ…」
 途切れ途切れに、冷や汗等を垂らしながら、苦しそうな様子を見せながらも心底嫌そうな様子で言うゼロス…少しも苦しくなんか無いくせに…芸の細かい奴…
 「何言ってんの!あんたがそれ言ったのミルガズィアさん相手にでしょ!んなの、あたしの知った事じゃないわよ!」
 ゼロスの襟首ひっつかんで言う!
 さすがにもうガクガクは止めてる(いや…あんまりやってもあたしが疲れるだけだし…ならやらなきゃいいって意見もあるけど…そこはそれ、その場のノリというやつである…)
 「それじゃあ…改めてリナさんに言ったら止めて頂けるんですか?」
 冷や汗垂らして言うゼロスにあたしはまともに顔を引きつらせ…
 「あぁあんたねぇぇ!!よぉくもそう言う事が言えるわねぇ!!ルークの一件であたし達がどぉんな思いをしたと思ってんのよぉぉ!!傍から面白がって見物していたあんたはさして気にしてないかもしれないかもしれないけどねぇ!あんな悪趣味な行動(こと)やっといて!よくもまあのこのこ出てきて、うな事言えるわねぇ!温厚なあたしも終いには怒るわよ!!!」
 スリッパでゼロスの頬にあてて言う…
 「あの…リナさん…終いにはって…もう怒ってらっしゃるじゃないですか…」
 「なぁに言ってんのよ、単にスリッパで叩いて、あんたの首締めてガクガク揺すっただけじゃない!」
 「だけって…痛かったんですよぉ〜」
 ゼロスが情けない声を出す。
 「何言ってんの!あんなのあんたに効くわけないじゃない!!」
 「でもリナさんそのスリッパ、アストラル・ヴァイン付きじゃないですか…」
 「あんたには対して効かないでしょうが!」
 ゼロスの苦情をズバッと切って捨てる。
 「でも効きましたよ予想以上に…それに何時の間に使ったんですか?ハッキリ言って気付きませんでしたよ?」
 …予想以上か…やっぱりこいつ!
 「あんたが出てきて直ぐ!あたしが転けてる間に使ったのよ!あんたには死角になってたから分からなかっただけでしょ!!」
 「だけってリナさん…まあ…それはともかく、リナさんもしかして魔力上がってませんか?」
 さも今気が付いた様に言うゼロスにあたしは眉を釣り上げ、更にゼロスの襟首締め上げる。
 「よくもまあ、あんたぬけぬけとそういうセリフが出てくるわね!こぉのストーカー神官!!」
 「ス…ストーカーって…リナさん…」
 「あんたがここ暫く!あの一件が終わってからずっとあたし達につきまとっていたのは知ってんのよ!特に何かするってわけでもなさそうだったし!用があればあんたの方から出てくるだろうし!当分あんたの顔なんか見たくなかったから放っておいたのよ!!」
 そう言い放ち手を放す…いい加減この状態も疲れるし…
 それにそろそろ真面目に話した方が良さそうだし…
 「いやー、お気付きでしたか、さすがリナさん。でもあの件に関しては、こちらとしても仕方なかったんですよ…色々複雑な状況でしたし…まあ、今となっては終わった事ですからね」
 にこにこといつもの読めない笑顔で、しかし心なしかどこか嬉しそうな様子で言うゼロス…
 何が終わった事よ!!
 まったく!…こいつがこんな態度をとるなんて…どうやらあたしが思った以上に厄介な事になっている様である。
 「それで、結局あんた何の用で出てきたのよ!」
 溜め息混じりにそう言って、あたしはゼロスをジロリと睨む。
 「それは…」
 「秘密なんて言ったらエルメキア・ランス叩っ込むわよ!」
 ゼロスの言葉を遮って怒鳴りつける!
 「リナさんまでどうしてそんな意地悪するんですかぁぁ〜」
 ゼロスが世にも情けない声を出して言う…
 「それで?また逃げる気?」
 言って呪文を唱え始める…
 「…エルメキア・ランス…ですか…まあ…もう殆どバレちゃってるみたいですからこうなった以上まあいいですけど…」
 ゼロスは一瞬だけ、しかし僅かに眉を寄せて言った。
 あたしはゼロスのその言葉に取り敢えず呪文の詠唱を止める。
 そのあたしの様子を見て、ゼロスは話し始めた…
                                      ―続く― 



 ―あとがき―
 RIN:皆様今晩は、RINですm(_ _)m
     エー今回は前回「『謎』の方がいよいよ出てこられます」と予告しました
     通り、謎の神官・獣神官ゼロスが登場致しましたv
     これからは魔族もちょこちょこと出てくる事になると思います…
     そう言うわけで魔族(ゼロス)登場記念として…
     …今回から急遽ゲストとしてお招き申し上げる事と相なりました…
     ど…どうぞご入室下さい!L様!(僅かに涙目になって言うRIN…)
     ドドドドドドドッ!(何処からともなく太鼓を叩く様な音と)
     パッ!(スポットライトが点灯する)
     そしてその場に現れるL様!
  L様:フッようやくあたしの出番ね!
     たとえパロディとはいえ…
     やっぱスレイヤーズのあとがきにはあたしがいないとね〜
     と言うわけで、ようやく文才の無い小心者で臆病者の癖に頑固で意固地な
     筆者(RIN)があたしのあとがきへのささやかで至極平和的な出演交渉
     に応じたから、これからはもうみんなに退屈なあとがきを読ませる事も無
     いわよ!!
 RIN:え…あの「これからは」って何で…確か一回切りのゲストの筈じゃあー…
  L様:それはゲストとしては、でしょvあんた確かこの前…
     『これまでL様をお出ししなかったお詫びとしてこれからはL様に幅広く
     ご活躍頂ける様、努力致します』<(_ _)>
     って言ってたじゃないv
 RIN:…あう…それは…
  L様:そう言うわけであたしのあとがきへのレギュラー入りは決定ねv
     …それとも…なんか文句ある?
     (にっこり笑みを浮かべ何処からともなくスコップを取り出すL様…)
 RIN:なっ!無いでスゥゥゥ!!(その様子に慌てるRIN)
  L様:そうvで、何であんたは怯えてるのかしら? 
 RIN:えっ…えーと…あの…そんな…何かの気のせいじゃあ?
  L様:あらvそれじゃあそうなのかしらv
     …何ていう風にあたしを誤魔化せると思ってるの?
 RIN:そっそんな!誤解です!!
  L様:そうvそれじゃあvそれは取り敢えずそう言う事にしておいて…
     それはそれとして…やっぱりこれまでの分の制裁は必要よねv
 RIN:えっ?あ〜のぅぅ…L様?
     そっその御手にお持ちあ…あ…あそばしておられるスコップは一体…
  L様:んっんっんっ!言葉遣いだけ丁寧にしてもねぇ〜…
     それに折角スコップ出したんだし…
     それにやっぱ読者だって望んでるでしょうし…
     それなら期待には応えないとねぇ〜♪特に応えられる期待には!
 RIN:そっ…そんな…誰もそんな無茶な事は望んでは…
     グサッ!!!ドサッ!!
     (鈍い音がしたと同時に何か赤いものを流している物体が床に倒れ伏す!)
  L様:まあ悪も滅んだ事だし…(足下でピクピクしている物体を見遣り…)
     次に復活した時にはちょっとは素直になってる事でしょうし…
     それじゃあこれからはあたしが…
     …え?ページが無い?
     …ちょっと部下S!あんた今回の裏方でしょ!何とかしなさい!
     (襟首ひっつかみ小声で言うL様…(T_T)
     …ゥゥー無理ですぅー(T_T)…
     ちなみに私は愛用の金ラメタキシードを着ています…)
     さりげに自己主張してるんじゃ無いわよ!あんたは裏方でしょうが!!
     まったく…部下Sの癖に!!
     (そう言いつつ私をスコップでドツクL様…アゥ…)
     まあ仕方ないわ…
     そう言う事ならせめてこの予定表をもとに途中で寝ちゃった仕方ない奴の
     代わりに次回予告と終了の挨拶だけはやっといてあげましょうか!
     次回予告!
     次回はオリキャラ・セレーネの問題発言の真相が遂に明らかに!?
     そしてゼロスの目的は!?乞うご期待!!
     …って、あいつ何考えてんのかしらねェ〜
     それじゃあみなさん今後も宜しくねv
     ペコリv(…と頭を下げるL様…)
     するすると幕が降りる…そしてENDの文字…

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 ここまでお読み下さった皆様…有り難うございました…
 …お気に召さなかった方々…申し訳ありません<(_ _)>深くお詫び申し上げます。
 ―それではまた―RINm(_ _)m 
 
 
 

                                

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