―『14番目』とノアの姫― 
              ―プロローグ―
  


 ―狂った『悪夢(ユメ)』…

 …茶色の髪の青年がそう評した『モノ』…

 …けれど『それ』は間違いなく…

 …『彼自身』の『内』にもある『遺伝子(モノ)』…
 

 
―狂気―
     ―2―
 


 《…何故逃げる…》
 《…何故逆らう…》

 ―『一族』から『離れること』を『決意』した『あの日』から聴こえ続ける『声』…

 「うるさい!うるさいっ!黙れっ!」
 聴こえる『声』を振り切るように『彼』は頭を押さえしゃがみ込んで叫ぶ。
 
 《…許すな…許すな…》
 
 「…くっそ…今度はお決まりの『それ』かよ…ざけんなよ…こんなの体の良い洗脳じゃネェか…ハッ…」
 聞こえ続ける『声』に…『彼』は床に座り込み体を壁に預けてそう毒突いた… 

                                  ―続く―