―『14番目』とノアの姫― 
              ―プロローグ―
  


 「…カ…エ…ル…」
 ブツブツと虚ろな表情(かお)で『何か』を呟き続ける弟に…その様子に…なんだか物凄く…『嫌な予感』がした…

 弟が…『どこか』に行ってしまいそうな…消えてしまいそうな…そんな『嫌な予感』…

 だから僕は…弟の名を呼んで…彼を強く揺さぶった…


 
―狂気―
     ―5―
  


 …気が付いたら…目の前には蒼白な顔色で…必死な形相の兄の表情(かお)…
 その表情(かお)に…「えっ?」と思い、瞬きをする。

 「………にい…さん…?…どう…したの…?…」
 疑問に思って…そして『それ』を問おうとして…口から出たのは…掠れて嗄れた声…
 …その自分の声に…また「え?」と思う。
 
 ―そして気付く…

 …奇妙しいのは声だけじゃなくて…

 ―自身の異変に…

 …身体が…ダルイ…頭が…重い…視界が…霞んでる…

 ―ド…ク…ン…

 …鼓動が…おかし…い…

 ―ドク…ン…

 …一体…オレは…どう…し…たん…だ…?…

 ―気付いたその異変に…強い不安と混乱に苛まれながら…オレの『意識』は『闇』に落ちた…

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 …ひ…久方ぶりになります。申し訳ありません<(_ _)>
 ノーブル異説「『14番目』とノアの姫」プロローグ第5話です。
 色々あって随分と長いことお待たせしてしまいました。

 …取り敢えず…『14番目』の名前をどうしようかと言うことで…結構困りながら書いてます…

                                  ―それではまたの機会に―RIN―