「…そうだよ…ティッキー…『イノセンス』は………」
そう切なげに呟いて…ロードは目を伏せて黙り込む…
―重い空気に…一瞬その場を沈黙が支配した…
―『ノア』の『望み』―
―11―
「…イノセンスはって…なんだよ…どういうことだよ…」
最初にその沈黙を破ったのはデビットだった。
突然知らされた『一度は戦った相手』でもある『アレン・ウォーカー』の『正体』と…そして更に明かされようとしているらしい『自分達の知らない秘密』に…次々進む話の重要さゆえに…沈黙に耐えきれなくなってのことだった。
「…ティキ…お前なにか知ってんのか…」
デビットはティキを睨み据えてそう問い掛け…
「…デビ…ティキ…」
ジャスデロは戸惑いがちにデビットとティキを交互に見てその名を呼ぶ。
「…俺が…アレンがノアだって聞いたのはお前らが方舟に向かってからだ…ただ…『ハート』に関してはも少し前…アレンが昔千年公と暮らしてたって聞いた時に聞いたんだけど…」
「…それどういう…」
デビットの問いに答えたティキの…その『答え』にまたもデビットは疑問を持ちそう問う…
「…そのまんまだよ…アレンは昔…僕らと暮らしてたの…さっきも言ったけど…その頃のアレンは…『アレン』の『7000年前』の『記憶』は無かったけど…『ノア(僕ら)』が『家族』だって解ってた…『僕ら』のこと凄く好いてくれてた…」
デビットの問いに…ポツリポツリと…悲しそうに…絞り出すようにロードが言い…
「…そのアレンを…アレンの『僕ら』と過ごした『記憶』と『人間』への『憎しみ』の『記憶』を『封印』して『あいつ』が…『14番目』が連れ出したの…」
そしてポロポロと涙を零した…
―続く―