…『私』は『罪』を償いたかった…だから…
「…『闇』の『力』を使って…『彼』の『痛み』を『悲しみ』を…あらゆる『負の感情』と『記憶』を…『彼』から消して『癒した』のです…」
…『闇』である『私』が…『終わり』である『私』がいなくなったから…だから『彼』は…『始まり』の『力』さえ殆ど失い『現在(いまと言う時間)』から殆ど動けなくなってしまった…
―『現在』がある以上『始まり』があり、『始まり』がある以上『終わり』もある。
『止まない雨』は無い。『明けない夜』は無い。
―『光』と『闇』…『始まり』と『終わり』が…共にその『役割』を果たし続ける限り…
―『ノア』の『望み』―
―26―
「…そうすることで…『限界』に近付いていた『彼』は…また『人間』の『フリ』が出来るようになりました」
「…『人間』の…フリ…?…」
『私』の言葉にロードがそう首を傾げる。
「…どうして…?…だって…『人間』に近付きすぎたって…『使命』を果たすことが出来なくなったって…」
「…『私達』は『人間』に紛れ『人間のフリ』をし…そして『人間』を…その『世界』を『監視』し…時に導く…『終焉(終わり)の時』が訪れるまで…そして『その時』が来たら速やかに『神(クラウン)』の『裁定』の許『神の道化(クラウン・クラウン)』である『我ら』は『クロノ=クラウン』…『『時』の『破壊者』(終焉をもたらす存在(モノ))』にして『『時』の『再生者』(始まりを告げる存在(モノ))』となる…この『使命』を果たすためには『人間』を見定める『必要』があります。…ですから…『我ら』は『人間』の『感情』を『理解』しうる『存在』である『必要』があった。…その為に…『人間のフリ』は『必要』だったのです」
…そして…
「…『その時』が来れば…『神(クラウン)』を『慰める為の人間(ノア)』は『必要』なくなる…」
「……それ…どういうこと…?…千年公…」
『私』の『言葉』に目を大きく見開いてロードがそう問うた…
―続く―