「……『ノア』…なの…?…」
 緊張した面持ちでロードは口を開き…
 「…オーギュスト・ノア…なの…?…」
 …躊躇いつつ…そう声を掛けた。
 「…オーギュスト…ノア…?…って…」
 …なんだ?…そう問おうとして…
 「…ごめんっ!ティッキー黙ってて!(…また後で説明するからっ…!…)」
 一瞬だけ振り返って言ったロードのその言葉で遮られた。 


 
―『ノア』の『望み』―
              ―29―
 


 「…ごめんっ!ティッキー黙ってて!(…また後で説明するからっ…!…)」
 振り返りそう叫んだロードの様子は…どこか…焦っている様だった。
 
 ―そんなロードの様子を見てオレは…
 …どうしたんだ…?…こんな余裕のないロード…見たことない…
 …とそう疑問に思う。

 「…だい…じょうぶ…です…よ…ロード…」
 疑問に思っていると…掠れた声がして…その声にそちらを見ると少年を抱き締めた、『彼』と瞳と傷以外は同じ顔をした『千年公』が青ざめた顔をし「ハアハア」と肩で息をしていた。
 そしてそんな『千年公(かれ)』を見て…
 「…せ…千年公…?…千年公だよね…?…」
 今にも泣きそうな表情(かお)でロードは呼び掛け…
 「…大丈夫…ですよ…ロード…心配掛けましたね…」
 そのロードの『言葉』に『彼』は振り向いてにっこりと微笑った。 
 

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 どうも皆様RINです。
 申し訳ありません、久し振りなのに今回短いです。

                             ―それではまたの機会に―RIN―