目を覚ましたジャスデロとデビットが…何がどうなってるのか解らず騒ぐ…
 その騒ぐ声で…
 「…う…うう…なんだ…」
 「…うっ…あー…うるせぇーな…」
 ジャスデロとデビットが眠っていたベッドの左右にあったベッドの上で眠っていた…ティキとスキンが目を覚ました…


 
―『ノア』の『望み』―
              ―3―
 


 「…一体何がどうなってるんだ?」
 …オレは少年に…アレンに斬られた筈だ…
 …オレの中のノアはあの時破壊された…
 …なのに…オレの中のノアは…
 「…どういうことだ…?…」
 片手で髪を掻き上げティキは呟く…
 「…己も…確かあの時あの神田という奴に…」
 …確かに斬られた筈だった…そうスキンも呟く…
 口々に呟きながら…状況をなんとか把握しようとしていた時…
 「起きたレロか?」
 不意に掛けられた声に全員の視線が一点に集中する。
 声がしたのはドア…
 口を開いたのは入って来たばかりの傘のゴーレム…
 「伯爵タマにそろそろ起きるだろうから、起きたら呼んで来るように言われたレロ」
 全員の視線を受けて…レロがそう言う…
 「おいっ!傘っ!これはどういうことだ?オレらは兎も角なんでやられちまった筈のスキンまでここにいるんだっ!?」
 そう言ってデビットがスキンを指差し…
 「それオレも聞きたいな…ッて言うか?オレの『ノア』って少年に消されちゃった筈なんだけどなんで無事なの?」
 …あの後一体何があった?そう言外に問うティキに…
 『なっ!?ノアが消されたぁ!?』
 どよめく一同…
 「それをこれから伯爵タマがお話になられるんだレロ」
 「…千年公は何処にいるんだ?」
 ティキの問いに答えたレロの答えにティキは伯爵の居場所を問う…
 「伯爵タマはロートたまと一緒に『クラウンの間』におられるレロ」
 ―!!?
 『クラウンの間っ!!?』
 レロの言葉に全員に緊張が奔る…
 …自分達は一度たりとも足を踏み入れることを許されたことのない『クラウンの間』…
 …『そこ』への入室の許可が下りたということは…

 「…『クラウン・ノア』…『ノアの王子』が見付かったのか…」
 …『誰か』がポツリと…そう呟いた…

                                            ―続く―