「…済みませんでした」
そう言って深々と頭を下げた『千年伯爵』に、皆がざわついて落ち着きなく互いを見交わした。
―『ノア』の『望み』―
―33―
「…よっ…止してくれよ千年公っ…」
最初に慌ててそう言ったのはティキだった。
「あんたにはそんなの似合わねェし…それに大体少年の事守る為だったんだろ!?なら…なあ?」
謝る『伯爵』を慌てて止めた後…更にそう続けて『ジャスデビ』の二人やスキンの方を向き『彼ら』にも同意を求める。
「…まあ…そう改まって謝られると…なあ…」
ティキの『言葉』にデビットが複雑そうな表情をしつつも後頭を掻いてそう言い…
「…ヒッ!仕方ない…ヒッ!」
それに呼応するようにジャスデロもウンウン頷き…
「…己も別に気にしていない…」
スキンもまたそう言って頷いた。
口々に『気にしていない』と告げるノア達に『伯爵』は瞳を潤ませ…
「…有り難うございます…みんないい子に育ってくれて我輩は嬉しいです」
そう言ってにっこりと微笑って…そして涙を零した。
―続く―