―『クラウン・ノア』…
 …『ノアの一族』の『至宝』とも言えるかけがえのない存在…
 …『ノアの一族』7千年の悲願…『我らの父』…『ノア』復活の『鍵』にして…
 …『ノアの希望』…
 …そう千年公から教えられてきた…

 …その存在が…遂に見付かった…


 
―『ノア』の『望み』―
              ―6―
 


 …遂に見付かった…そう聞かされたその存在が…少年だって…
 …だが…それ以上に驚いたのは…
 「…かた…わ…れ…?…」
 …それは…どういう意味だ…?…
 千年公の言葉に俺は驚いて…そう口にする…
 「…そうですヨvティキぽんv」
 そう千年公が言った…その時だった…
 ―ヴン!
 そんな『音』を発てて…『千年公』の『姿』が変わった…
 「…なっ…まさ…か…」
 「…どっ…どういう…」
 「…千年公…?…」
 「…いったい…」
 変わった『千年公』の…その『姿』は…時々『千年公』が取る…『人間』の『姿』ではなく…
 代わりに…『ある人物』と…殆ど同じものだった…
 その変わった『姿』に…俺達は…驚き目を瞠る…(…ロードとレロは元々知っていたのか…平然としていたが…)
 「…そうですよ…」
 その『口』から出た『声』までも…その『人物』とまったく同じ…
 「…ジャスデビ…何故…ノアに『二人で一人』の『絆』の『記憶(メモリー)』があるか…その『答え』が『これ』です…」
 …『白い髪』に『赤い瞳』の…さっきまで間違いなく『千年公』だった…その『ベッドの上の少年』と『瞳の色彩(イロ)とその左腕、そして顔の傷が無い』と言う事以外そっくり同じ『人物』が言う…
 「…そもそもキミ達を生みだした『ノア』自身が…『二人で一人』の『人間(ノア)』であり…そして『この子』は…」
 そう言って『千年公』はベッドの上の少年に視線を戻し…
 「…『この子』は…その『ノア』の『片割れ』の…変わり果てた『姿』なのです…」
 切なそうに見つめてそう言った…

                                            ―続く―