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 ―…アレンが…いない…
 …いなくなった…―

 ―…クロちゃんと…一緒だった筈なのに…
 …帰ってきたのは…クロちゃん…一人…―

 ―…そして…

 …「なんだ?馬鹿弟子はいないのか?」…

 …現れた…赤毛の元帥…

 …ずっと捜していた相手…

 …アレンの師…クロス・マリアン元帥…
 

 
―ノアの王子―
       ―11―
 


 「なんだ?馬鹿弟子はいないのか?」
 …そう言うと…リナリーとブックマンのジュニアがビクリとした様子で、こちらをぎこちなく振り返ってくる…
 …なんだ?…『何が』あった?…
 …そう訝しんでいると…
 「アレンなら行きたいところがあると…」
 「…行きたいところか…だとしたらあそこしかネェが…」
 …リナリーやジュニアとは対照的な様子で…二人の様子に多少不思議そうな様子で…そう言ったアレイスターの孫の言葉を途中で遮り俺はそう言って…だが…と考える…
 …だが…アレンが果たして『あそこ』へ行くだろうか?…
 …だが…他はもっと考えられない…
 …この国で…アレンが知っている場所で…『あの男』との『思い出』が無い場所など…『1つ』もない…
 …それに…
 …リナリーとジュニアのこの様子…
 …『何か』があったとしか思えない…
 …それも…あの馬鹿弟子絡みで…
 …一体『何が』あった?…
 …方舟に入った時にはまだ普通だった…
 …俺がプラントに行っている間に…『何か』があったと言うことか?…
 …ちっ…漸く『準備』が整って…馬鹿弟子の居場所をティムに聞いて行ってみれば…『其処』には馬鹿弟子はおらず、代わりに奇妙な『扉』があり…ティムに聞いても、もうアレンの居場所は解らない…
 …手掛かりはないかと…念のため『聖母の棺(マリア)』の能力で姿を消して…『扉』を潜ってみれば…この有り様か…
 …まったく…嫌な感じだ…
 …こんなことになるのなら…方舟に入った『あの時』に…デブに見付かる危険を冒してでもあいつを掴まえておけば良かったか…
 …さて…どうしたものか…
 俺は小さく嘆息を吐き、煙草に火を付けた…

                                            ―続く―