―《オ》《ハ》《ヨウ》―
 
 不意に聴こえたノアの『声』…
 その『声』に我輩は笑う…『ノア』の覚醒を確信し…


 
―もしもあの時…(ケース1)
    『千年伯爵とロードがいたら?』
                 ―5―
 


 「…ネェ!千年公ぉ!あそこにいるのが『誰』かはともかく…もう間違いないよ…『彼』はノアだ!僕らの『家族』だ!」
 我輩を振り仰ぎそう言ったロードの顔と声は明るい… 

 …嬉しいのでしょうね…そう思い頬笑ましく思う…
 …我輩達には…本当の意味で心を開けるのは『家族』しかいない…そしてその『家族』は数少ない…

 …しかし…『だからこそ』気になる…

 ―「…見間違いかな…『彼』に…ペンタクルがあったの…」

 『ペンタクル』

 ―「…けど…千年公…よく見て…『彼』の髪…ここからじゃ遠いしアクマが邪魔でよく見えないけれど…真っ白だよ…」

 『真っ白』

 ―その…先程のロードの言葉…

 それらが意味するのは…

 其処にいる『ノア』が『アレン・ウォーカー』である可能性があると言うこと。

 ―『アレン・ウォーカー』は『14番目に奏者の資格を譲られた人間』=『14番目の残した奏者』…
 その『アレン・ウォーカー』がもしも『ノア』だとすると…その『意味』は……

 ……!…まさか…
 フッと浮かんだ考えに目を見開く。

 …だとしたら…もう暫く様子を見た方が良いかも知れませんねェ…v…
 脳裏に浮かんだ『その可能性』にそう考えて…

 「早く迎えに行こう!」
 そう言ったロードを…
 「ロード…ちょっと待って下さい…」
 そう言って引き止めた。 

                                  ―続く―