…ずっとずっと…
 …何もかもが嫌いだった…
 …否…憎んでいると言っても良かった…

 …それが変わったのは…

 …嫌いじゃないかも知れないモノができたのは…
 …いつからだったんだろう…


 
―…『オモイ』の『源(もと)』に
               なった『モノ』…―
                       ―第1章―
                           ―1―
  


 「…もしかしたら…最初からだったのかも知れないね…マナ…」
 …そう…あんたと出会った最初から…

 ―…第一印象は…『変なヤツ』だった…

 「…見てあの子気味の悪い手…」
 「…真っ赤だわ…まるで血みたい…」
 …うるせぇんだよババアども…チラシ受け取った時はへらへらしてやがったくせにっ…!…
 ボソボソと聞こえてくるその声に…オレは内心でそう悪態を吐く…

 ―目の端に掠めたのは…汚いモノでも捨てるように捨てられたチラシ…
 …くそっ…くそぉ…なんで座長はオレに配ってこいなんて言ったんだ…?…いつだってオレが配った分はみんな捨てられる…
 …それどころか…その所為でまた客が減って…そしてまたコジモがオレを蹴るんだ…
 …なのに…くそっ…新手のいやがらせかよ…
 そうこう考えていたら…いつもと違うコトが起こった…
 捨てられたチラシを…拾ったヤツがいて…そいつがオレをジッと見ていた…

 ―『最初』に思ったのは…『なんだこいつ?』だった…

 だって感じたその『視線』は…

 …なんだか解らないけど…

 オレにとって『初めて』の『モノ』で…その筈なのに…でも知ってるような…そんな変な感じで…

 …でも…変だったけど…不思議と嫌な感じはしなかった…むしろ…

 …なんだ…?…なんでこいつオレをあんな目で見るんだ…?…どっかであったけ…?…いや…まさかな…

 ―感じたのは…不思議な『既視感(デジャブ)』… 
 尤もすぐに「気の所為だ」と頭を振って… 

 「…?…なんだ?あんた?なんかようかよ?」 
 オレはうさんくさそうに見遣ってそう言った…

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 どうもRINです。
 『オモイ』シリーズ版捏造『マナとの出会い』です。
 アレンくん妙なデジャブを起こしてちょっとだけ混乱してます…
 …ちなみにそのデジャブの原因は『14番目』の『記憶』です…

                             ―それではまたの機会に―RIN―