…『その姿』を見た瞬間…『オレ』は目を瞠った…

 …『オレ』の内(なか)に沸き上がった…その『オモイ』…

 ……だけど……

 …『まだ』…『早い』…


 
―…『オモイ』の『源(もと)』になった『モノ』…―
                          ―第1章―
                              ―2― 



 チラシを拾い上げ…オレをジッと…まるで凝視するように見つめるそいつ…
 最初は…オレの腕が原因だと思った…でも…すぐに『違う』と思った…

 …だって…そいつの目には…
 
 ―そこまで思い出して…僕は瞳を閉じて…『あの日』のことを更に思い出す…
 「…あんたの目には…奇異も侮蔑も無かったから…」
 …だからすぐに解ったんだ…
 「…あんたの目が妙に温かかったこと…」
 …でも…『あの時』は…『温かかった』…それさえもなんだかよく解らなくて…
 「…『変なヤツ』…その一言で済ませたけど…」
 …あんたと暮らすようになってからは…「あんたが優しいからだ」と…そう思ってたけど…
 …けど…
 「…もしかして…あんたが『オレ』をあんな目で見たのは…」
 …『オレ』が…『14番目(あんたの弟)』だったからなのか…?…

 …師匠(クロス)は…あんなこと言ってたけど…

 …あんたは…
 「…あんたは気付いていたんじゃないのか…?…」

 …ねぇ…マナ(にいさん)… 

                                       ―続く―