―気を失い…重力に任せるままに自由落下する楊ゼンの小さな身体…
 …その様子を少し離れた浮島から見ているモノがいた…


 
幼き迷い子 ―6―   


 ―薄暗い不可思議な空間に一人の少年がいた…

 玉鼎真人の弟子・通天教主の一人子…楊ゼン…
 200年後に本格的な発動を控えた封神計画に於ける重要な手駒の一つ…
 …その命が失われるやもしれない…

 …子供一人…消えた所で些細な事…
 …助けるも…捨て置くも…どちらにせよ容易い事…
 …もっとも…あの子供がここで失われれば多少計画の変更を余儀なくされるのもまた事実…
 …だが…助ける為にここで我が動けばあれに我が存在を気取られやすくなるのもまた事実…
 
 …少年は不意にゆっくりと瞳を閉じ、指を折る…
 そして暫し瞑目した後…

 彼はある場所へと向かう…

                             ―続く―
 ―あとがき―
 お久し振りです、道行マリル様、RINです、遅くなりましたが『幼き迷い子』第6話をお贈り致します。
 予定より大幅に遅れてしまい、申し訳ありません<(_ _)>
 …にも関わらず短いです…済みません…
 …そして今回から…とある人物がゲストとして出てますが…
 …その『彼』が…何だか冷酷な感じですが…別に楊ゼン×『彼』×楊ゼンのファンに対してケンカ売ってる訳ではありません…悪しからず…
 …ただあくまでこの話は…『道行マリル様からのリク』=『楊ゼン&玉鼎・修行時代の話』ですので…たとえ『彼』が出てきても基本的にまったく関係ありません…

 ―それではまたの機会に―RIN―