…目が覚めると…全然知らない所にいた…
 …そして…其処は深い霧に包まれた薄暗い森の中の様だった…

 気が付いたら…全然知らない所にたった独り…何が起こったのかまるで解らない…
 「…し…ししょう…師匠!…」
 …ししょうーししょうー…
 恐くなって…キョロキョロと辺りを見回しながら…師を呼んでみても、ただ返ってくるのはこだまだけ…
 楊ゼンはますます恐くなって…遂には蹲って泣き出してしまった…


 
幼き迷い子 ―8―  


 …突然消えた楊ゼンの気配に…楊ゼンの異変を悟り…
 玉鼎は残留思念を探り、楊ゼンの足跡を追ってある地点に辿り着き愕然として立ち尽くす…
 「…な…なんという事だ…まさか…ここから落ちたのか…楊ゼン…」
 崖のすぐ近くに在る小さな窪み…その周りの小さな足跡…そして其処に残る…楊ゼンの驚きの感情と…其処で途切れた残留思念が…総てを物語っていた…
 …則ち楊ゼンはその崖から落ちたのだという事を…
 
 …何も無い空中では…残留思念は長くは残らない…
 …総てが風に吹き流されてしまうから…

 …ただ重力のままに落ちていったであろう事は疑いようは無く…
 下手をすれば地上にまで落ちてしまっているであろう弟子を捜すべく…
 玉鼎は黄巾力士を置いてある場所へと、大急ぎで駆けていく…
 …万に一つの奇跡を願いつつ…


 ―空中で…大気に散った残留思念を得る事は…不可能ではない…

 …だが玉鼎にはその能力は無く…そしてその術がある事さえも知らず…
 …ただひたすらに…浮島の下の宙域を…他に浮島が無いかを捜しながら、地上へと降下していく…

                                  ―続く―  

 ―あとがき―
 こんにちは、道行マリル様、お久し振りです、RINですm(_ _)m
 またも予定より遅れ…遅くなってしまいました…申し訳ありません<(_ _)>
 (…3月中にUPするつもりだったのに…うう…スミマセン…)
 …本文…相変わらず短いですが…何はともあれ…ようやく序章部分にまで話しが追いつきました…
 …この連載も随分長くなってしまいましたが(…1話1話が短かったせいもあり…)予定としては…後2話〜4話位になると思います…(…またいい加減な事を書いて…)

 ―次回UPは4月下旬を予定しております…(…一応ですけど…)

 ―それでは次回―RINm(_ _)m