―多量の書類に埋め尽くされた部屋で…仕事の途中だったのか羽ペンを持ったまま眠ってしまっているコムイさんは名前を呼び、肩に手を置き揺すっても起きなかった。

 その様子に『仕方ない』とアレンは嘆息し…

 ―「リナリーが結婚しちゃいますよ」―
 そう耳元で囁いた。


 
―懊悩の末の『決意』―
            ―3―
  


 ―「リナリーが結婚しちゃいますよ」―

 ―かってリーバーさんは、コムイさんは『このネタ』でしか起きないと言った…
 …実際その時この目で見たのだから疑うつもりはない…けど…

 …リナリーは恥ずかしいだろうなー…
 そう内心で思いつつ僕はチラリとリナリーに視線を向け、胸中で謝りながら…コムイさんを起こすために『その言葉』を口にした。

 ―その結果…
 
 …その効果はあまりにも絶大で…コムイさんは速攻で起きた。
 何故か『ドリル』によく似た『あの手術道具』をその手に持って…
 …って…コワイです…コムイさん…お願いだから暴れないで下さい…
 そう思いつつ…
 ―「おはようございます」―
 硬い声で…僕はそう言った…   

                                       ―続く―