―戻ってきたのはリナリーとブックマンのみだった…

 …そのことが解った時…科学班に動揺が奔った…


 ―『終焉(終わり)』の『言葉』―
                ―1―
 


 『本部』へのノア襲撃の報を受けて、『新居』へと『ゲート』設置の為に先行していたアレンと共に同様に『新居』へと赴いていたリナリーと、ついさっきアレンが開けた『ゲート』を使い『新居』に行っていたブックマンが戻ってきた。
 戻ってきたその二人の姿に、ホッとしたのも束の間科学班員達がざわつく…
 アレンと…そしてブックマンと共に『新居』へと赴いたラビの姿が無かった為…『あちら』でも『何か』あったのでは?と考えたからだった…
 「…リナリー…アレンとラビは…?…」
 その皆の疑問を代表してリーバーがリナリーに問い…
 更に皆の動揺を考慮したのだろう…小声で「何かあったのか?」と問い掛けると…
 その意図を察しリナリーは小首を振って…
 「こっちみたいな事は何も…」とそう告げた後…
 「…でも…アレンくんはラビとブックマンが来て直ぐに、こっそり来てた長官に連れてかれちゃったの…」
 …と小声で…リーバーにのみ告げると…
 その言葉に…リーバーは瞠目し…声を上げ掛け…慌てて抑える…
 そんなリーバーの様子に気付いてか否か…しかしリナリーは話を続け…
 「…そしてその後すぐにこの襲撃の連絡があって…兄さんが私を呼びに来て…それで先にブックマンと戻るようにって…アレンくんとラビもすぐに元帥と一緒に来てくれるから…だから先に行くようにって…アクマとノアがたくさん来てて凄く大変だから…急ぐようにって言われたの…」
 …そう言った…

                                            ―続く―