「こっちみたいな事は何も…」
 小さく…けれど左右に首を振ってリナリーはそう言った…
 そして声を落とし…
 「…でも…アレンくんはラビとブックマンが来て直ぐに、こっそり来てた長官に連れてかれちゃったの…」
 …と小声で…リーバーにのみ告げた…
 その言葉に…リーバーは瞠目し…声を上げ掛け…慌てて抑え…
 「…そしてその後すぐにこの襲撃の連絡があって…兄さんが私を呼びに来て…それで先にブックマンと戻るようにって…アレンくんとラビもすぐに元帥と一緒に来てくれるから…だから先に行くようにって…アクマとノアがたくさん来てて凄く大変だから…急ぐようにって言われたの…」
 リナリーはリーバーの様子に気付いたのか否か…兎に角そう告げて…
 「…だから私達だけ先に来たのっ!」
 そう言った。


 
―『終焉(終わり)』の『言葉』―
                ―2―
 


 「そうか…」
 リナリーの『言葉』にそう言ってリーバーは頷き掛け…
 「…ちょっと待った…」
 そうリーバーは片手を胸の辺りに上げ…
 「…元帥?…じゃあクロス元帥もそっちにいるのか?」
 そう問い掛ける…

 ―何故なら元帥は…『中央庁』へと『出張中』のクロス・マリアン元帥以外全員この『本部』にいるから…

 …だから『新本部(あちら)』にいる『室長』が『元帥』が『アレンとラビ』と共にすぐに『旧本部(こちら)』に『来る』と言うのなら…それは『クロス元帥』のことだろうと考えリーバーはリナリーに問う。

 …『中央』に行ってる筈の『クロス元帥』が『新本部』にいる。…『あっち』には『長官』が何故かいたと言う話しだし…それなら『長官』と来てたのかも知れない…
 そう考えて…

                                       ―続く―