ラプラス―3―

 …太公望は待っていた…直鈎を垂れて…ただ獲物のかかる時を…

 凄まじい物音に太公望がそちらの方を見ると、そこには一生懸命、とても嬉しそうに走ってくる武吉の姿があった。
 太公望が振り向いた事に気付くと、更に嬉しそうな様子で手を振り、そしてあらん限りの声で太公望に呼びかけた!
 
「おっしょうさまーおはようございまーす!!」
 その声は凄まじい物だった!太公望が気付いて止めさせようとした時には遅く、太公望は急いで耳を塞いだ。
 「おはようございます!お師匠様!」
 武吉は太公望の傍まで来ると改めて挨拶した。
 「えーい!師匠は止めぬか!それにしてもおぬし凄い声だのう」
 「はい!僕いつも大きな声で挨拶してますから!!」
 太公望にぼやきながらも、感心した様子で言われ、武吉は心底嬉しそうに言った。
 「あれ?お師匠様、四不象はどうしたんですか?」
 そして何故か四不象がいないという事に気付きそう問い掛ける。
 「うむ、スープーにはちと使いを頼んでおるのだが、おおそうだ!武吉おぬしにも、ちと頼んで良いかのぅ」
 「はい!僕に出来る事ならなんでも言って下さい!!」
 「では、丼村屋のアンマンを十個買ってきてくれ」
 「丼村屋のアンマン十個ですね?分かりました!!」
 そう言うが早いか、武吉は喜び勇んで掛けて行った。
 
 ―あとがき―
 今回も太公望と姫昌様の出会いシーンはありませんでした、期待しておられた方、済みませんm(_ _)m
 でも…次回も多分無いと思います…
 替わりじゃないですけど、次回は太公望の過去が見え隠れする事になると思います。
 それではまた<(_ _)>


  

 シリーズの棚