∞螺旋の運命×運命の螺旋∞
―第1章―
『火影様!大変です火影様!!』
火影邸内を焦った様子で中忍が二人どたばたと駆け回っていた…
…その慌て様は端から見ているととても中忍とは思えぬ程で…
…とても滑稽で笑えてくる…
…あっ!誰か来る…
…この気配は…
…ホムラじいちゃんとコハルばあちゃんだな…
…騒ぎを聞きつけて来たのかな?
…いまじいちゃん屋敷の方で用事してる筈だし…
三度目の卒業試験―3―
「…これ!ここは火影邸じゃぞ!お前ら何を騒いでおるのだ!?」
…やっぱりそうだ…騒いでる中忍達の方に向かってる…
「こっ!これはご意見番様!申し訳ありません!火影様はどちらでしょうか?大変なのです!」
騒いでいた中忍二人は背後からの声に振り向くと、慌てて膝をつく…
…まったく気付くの遅いよな…
「…ふう…だから何が大変なのかと聞いておるのだ…」
「ハッ!申し訳ありません!実は…またナルトのヤツが!!」
「…またナルトが何かしでかしたのか…しょうがないのう…三代目は屋敷の方じゃ…お前らが報告に行くがよい…」
『はっ!!』
…そして騒がしい二人の中忍は瞬身の術でその場を立ち去った…
…まあ…瞬身って言ったって…俺やそこにいるご意見番のじいちゃんとばあちゃんからしたら全然遅くって全部見えてるんだけど…
「…ふう…まったく…何を考えておるのだ?」
コハルばあちゃんが微かに溜め息混じりに言い…
「…そこにおるのだろう…出て来るのだ『ユイ』…」
ホムラじいちゃんがそう『俺』を呼んだ…
―続く―