∞螺旋の運命×運命の螺旋∞
―第1章―
「…やっぱりホムラじいちゃんとコハルばあちゃんには解ってたんだ?俺がいたこと」
くすりと口端を歪め不敵に笑むと髪のを黒く染め、瞳の色を群青に変化させた『ユイ』こと『ナルト』が瞬時に『其処』に現れた…
…先程姿を消した中忍達とはくらぶるべくも無い程の迅さで…
「……何を言うか…わざと解る様に気配を出しておっただろう…」
「……ふう…まったく…先程から里が騒がしいとは思っておったが…一体今度は何をしでかしたのだ?」
…呆れた様に言ったホムラのその言葉についで、嘆息混じりにコハルは呟いた…
…そんな二人の様子に、ナルトは『ニッ』と笑みを浮かべ…
「…ん?…悪戯ってトコかな〜♪」
…そう楽しげに言った。
三度目の卒業試験―4―
…ナルトを捜してアカデミー中を駆け回っていたイルカが、里が騒がしい事に気付き、立ち止まって窓の外を見ようとした丁度その時だった…
「イルカ先生!!」
慌てた様子で名を呼ばれ、イルカはどうかしたんだろうとそちらを振り向くと、其処には息せき切った様子の同僚のミズキが駆け寄って来ていた。
「…あっ!ミズキ先生!ナルトを見かけませんでしたか?あいつ授業が始まったってのに一向に…」
…ミズキの様子と外の様子で何かあったのかと思いながらも、それほど重大だとも思えず…(…そういう様子では無いと判断して…)それにミズキにはまだナルトの事を聞いていなかったと言うのもあり、まずイルカはナルトを見かけなかったかと問い掛けようとし…
「イルカ先生!そのナルト君なんですが!大変なんです!」
…イルカの言葉はミズキのその言葉によって途中で遮られた…
―続く―