∞螺旋の運命×運命の螺旋∞
             ―第1章―



 
『ギャハハハハ』


 『ナルト(の奴)(君)が歴代火影様たちの顔岩に落書きを(!!)(してるんです!)』
 …それぞれ異なる場所で、しかしほぼ同時に、そう聞かされた、火影とイルカは、外に出てそして…『それ』を見た…

 …火影の顔岩に…『好き放題に落書きする『ナルト』を』…


 
三度目の卒業試験―5―


 ―アカデミーには付属図書館がある…そしてその奥には…許可の下りた者以外は立ち入り厳禁の…許可があったとしても必要時以外は入室を厳しく制限された『極秘文書庫』がある…

 …その『極秘文書庫』にアカデミー教師で中忍のミズキはいた…
 「…ククク…ナルトの奴…まったく丁度いい時に騒ぎを起こしてくれたぜ…」
 『がさごそ』といった擬音で表される様な様子で、ミズキは『何か』を『其処』で捜していた…
 「…あいつが騒ぎを起こしてくれた御陰でアカデミーが手薄になって簡単に此処に忍び込めた…クク…ドベでバカでどうしようもない奴だと思っていたが、偶には役に立つな…クク…」
 にやりと笑うその顔は普段生徒の前で見せる様な優しげな『それ』ではない…
 「…お?…あったあった…この巻物だな…」
 …そう言ってミズキは巻物を開く…
 「………………………」
 …暫しの沈黙…
 「………くそっ!!折角『禁書』の保管目録を見つけたのにっ!お目当ての『アレ』は火影屋敷かよっ!チッ!あそこじゃ下手に手が出せねぇ!…折角ここまで…くそっ!どうする!?……」
 (……どうする……)
 ……ククク……
 (…そうだ…『この手』があったじゃないか…)
 「……確かにオレじゃあ『あそこ』には下手に手出し出来ない…だが…『あいつ』なら…」
 …クク…
 「…どうせあいつは今年も卒業できない…」
 (…イルカに憎まれてるとも知らないで…アカデミー側に卒業させる気が無いとも知らないで…頑張ればいつか認められると思っている、自分の正体も知らないで…)
 「…だがだからこそ…三度目と言う事もあってあいつもそろそろ焦っている…今度も落ちれば…クク…バカなあいつを言いくるめるのは酷く簡単だろうな…」
 (…役にたってくれよな…精々…)
 「…ナルト…やっぱお前に日頃から優しくしといて正解だったぜ!」
 ……ククククク……
 …巻物片手に一人自分の立てた計画に悦に入るミズキ…

 …ミズキは気付いていなかった…その一部始終を見ている者がいることを…

                                       ―続く―